非日常的日常エッセイ

エッセイのネタとして鉄板なのは日常の出来事だと思っている。
作者のまわりで起きた出来事を面白おかしく語ってくれるとき、私たちはそれを追体験あるいは柱の陰から見守るものとして楽しむ。

しかし、このエッセイからは作者の日常はほぼ見えない。
ほとんどが書籍や投稿サイトの話なのだ。
では、堅苦しい話やPVをいかに回すかといった話なのかといえば、そうではない。
ついつい話に加わりたくなってしまう、やめどきが見つからないそんな話が続くのだ。
そんなことができるのは膨大な情報を平易に伝えられる作者の博識とやわらかな筆致ゆえなのだろう。

ただ、読んでいて一つ残念なことがあった。
最新話まで追いついてしまって、「次のエピソード」がないのだ。
ぜひとも作者には毎日10エピソードくらい投稿してほしい(というのは多分に本心を含んでいるが、もちろん冗談である)

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