絵の鯨は動かずとも、心の中で泳ぐ

手を伸ばせば掴めそう。でも掴めば四散する泡のよう。

この作品からは、まさにそんな印象を受けました。
決して洪水のようではなく、穏やかに入ってくる文章がその情景を頭の中で作り上げ、その場にいたわけでは無いのに懐かしいような、そしてまた何か強烈なインパクトがあるわけではないのに、しっかりと心の中に残るような、とても不思議な作品です。