第4話 次代の聖女

人柱ひとばしらの引継ぎが、無事に完了致しました」


 報告を受けた聖教会の教皇が、瞳を閉じてゆっくりと頷く。


「護衛騎士団と例の老夫婦についても、ともに処分が完了致しております」


 教皇は白く長い髭をさすりながら、窓から見える魔女の棲まう山へと視線を向けた。


「これで異界の門の封印が再建し、この世界に暫くの安寧が訪れる事でしょう」


 〜〜〜


 どれ程の刻が過ぎただろうか。


 フェリスの精神を、孤独と虚無が侵蝕していく。


 そんなある日、この全く動きのない空間に、風が舞い込んだ事をフェリスの肌が感じ取った。


 フェリスはゆっくりと起き上がる。


「お前が魔女か!」


 そのとき元気な少女の鋭い声が、虚無の空間に響き渡った。


 ああ、やっと終わるのね。


 フェリスは安堵の吐息を漏らすと、満面の笑みでその身に聖剣を受け入れた。




 了

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魔女と世界の隠し事 さこゼロ @sakozero

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