サクッとカルタシスを得たい人間にはオススメしない。不遇期間が長いので。
基本的に、英雄レベルの人間以外は生まれ持った魔力に胡座をかき、知恵や技量より力こそパワーです。魔力なし=魔族と戦えない。
そこで魔力がないのに、魔力を使わないなら技量で勝り参謀役として一定の存在感のある主人公が散々に貶められることに繋がる感じ。
散々蔑まれるが、それでも愚直に剣を振り、戦術・戦略眼を磨き、参謀役として生きていくのかと思いきや…。
その後に出会う魔族の奴隷少女との出会いから展開が加速していきます。
67話にして主人公専用武器の入手によってタイトル回収、反攻開始?
人間の業が深すぎて、人間より魔族の方が人間味がある。逆だったかもしれねぇ…。
荒れそうな元婚約者視点から感想欄を閉じたのは英断。この更新頻度がいつまで続いてくれるのかわからないが、エタらないことを願っています!
面白かったので、第二部完までその日のうちに最後まで読ませていただきました。
魔族側が悪一辺倒ではなく普通の人たちとして書かれているため、知っているわけではないですがキリスト教とイスラム教での争いもこんな感じでの戦もあっただろうなと。十字軍の時代でも想定されているのかなとも思いました。
うがった見方をすると、人と魔族が実は逆であったとも。
主人公の覚醒後にエッベ達とかの扱いはいいとして、砦の兵達は主人公への偏見等が記述されていなかったので、どのような感じで砦を落とされたのかはまだ不明ですが、その兵達や今後攻め入る辺境にいる一般の人達への扱いを、どのようにされていくのかなど、色々と気になります。
そのまま魔族側一辺倒ではなく、人側にもロルフに共感されてくる人が出てくるのか、王国側以外の国も絡んできて、もっと世界観が広がってくるのかも知れませんね。
元婚約者のエミリーとの関係とか、出番のないティセリウス団長とかも、今後どうなるのかも、この先の展開をたのしみにしています。
ざまあ系も好きけど、みんな同じでちょっと飽きたと言う人におすすめです。
世の中はそんなに簡単に物事は好転しないし、大半のざまあ系の挫折や逆境はヌルすぎると思うのは私だけでしょうか?
この作品では丁寧に主人公の逆境が描かれていて、その逆境の中でも腐らず、縋るかのようにひたすら剣技を磨く主人公には心を打たれます。やがて、その苦境の分だけ、なおさらその苦労が報われる瞬間が尊く、読んでいて爽快感に満たされます。
また、単純に善悪を決めつけないのも話を深いものにしていると思います。
「盾勇」好きの人にぜひ読んでもらいたいです。