概要
劇的な過去は要らなかった。
ある日、バスを待っていると、濡れた友人が現れる。彼と話しているうちに過去を思い出す。
「お前を犯してきた兄貴殺した?」
ちょうど、このくらい強い雨だった。
「お前を犯してきた兄貴殺した?」
ちょうど、このくらい強い雨だった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!社会に合わせて変容できる姿は非凡だ。
とりあえず、彼の作品を一度でも読んだことがある人間にはぜひおすすめしたい。彼の作風は、上手くいかない主人公が、周りの変容の中に苦しみを覚えつつ、それでもなんとかしなければと、もがく話が多かった。後悔の念や焦燥などを丁寧に描写し、主人公の目に映る描写を、心象になぞらえながら書き上げるスタイルだ。主人公の情けなさに辟易すら覚える読後感は、なんともたまらない。
さて、前置きはここまでにして、この全1話は、今までの作風と毛色が異なる。ネタバレにもなるかも知れないので深くは掘り下げられないが、前述したスタイルとは真逆なのだ。主人公はもがかないし、周りの変容にも苦しみは覚えていない。しかし、主人公…続きを読む