この世に未練や怨みを残して彷徨う霊を鎮め、成仏させる仕事人、祓い屋。立派な祓い屋になるために現在修行中の女子高生、水原知世ちゃんの日々を描く物語です。
彼女の先輩で強力な力を持つ祓い屋、悟里さん。彼女の兄弟子で有能な葉月くん。厳しさと優しさを併せ持つ彼らに見守られ、知世ちゃんは時につまづき、時に悩みつつ真っ直ぐに成長していきます。
クールで仕事への情熱に満ちていながら、その他の部分ではちょいちょい天然っぷりが漏れ出てしまう知世ちゃんのギャップがとてもキュート。そして、見かけは女子並みに可愛いのに中身は最高に男前な葉月くんの格好良さも、読者の心をきゅんきゅんさせてくれます。
諦めないこと、情熱を持つこと、仲間を思うこと、そして恋。悪霊たちを祓うハラハラなシーンとテンポの良いストーリー展開にそれらの要素がギュッと詰まっており、読者はどんどんページをめくってしまうはず。
初々しい魅力たっぷりの、爽やかで楽しい物語。おすすめです。
ツインテ女子高生の知世は、じつはハライヤ。悪霊を退治する祓い屋なのである。
悪霊が出てくるホラーでもあり、ちょっと鈍感で生真面目な女子が主人公のラブコメでもある本作。連作短編形式で、ぼとよい長さのエピソードがいくつか入っています。
ホラー要素もありますが、怖いの苦手って人も安心して読めるレイティング。ラブコメも軽い感じで読みやすい。ギャグもあれば、バディー要素もある。さらに、各エピソードにきちんとひねりも入っていて楽しめます。
すべての味付けが、重くならないぎりぎりの濃さで、読むストレスがほんと少ないです。
児童向けに書かれているからでしょうが、疲れた大人が読んでもオッケー。ぼくは仕事合間の休憩時間中に読んでましたが、ほどよい面白さとほどよい軽さに癒されました。
とにかく読み始めるのに心の準備とかまったく不必要なところが助かった！
知世ちゃん視点の文体が、とくに好きでした。
ホラー&ラブコメ要素が絶妙に組み合わさった本作。
子どもから大人まで楽しめるテンポの良さと、ひねった展開が魅力です。
え、まさか！ ああ、そっちぃぃ！！ ナイスです、知世ちゃん！！！
ホラーはしっかり怖い雰囲気が醸し出しているのですが、語り口が軽快なので、怖さがちょうどいいといいますか、読んでいてわくわく楽しい。どうやって解決するのか、一体なにが起こったの、と予想しながら読むのも面白いです。
そこに、さらに恋愛要素も加わっていくので、ニヤニヤも追加。あっというまにエピローグまで走り抜けていきます。
コミカルなのですが、現実離れしすぎていない展開なので、要素要素が人間臭く、どろっとした恐ろしさもあるのです。やっぱり怪奇現象より人間の方が怖いのか！？
ちょっぴり天然鈍感娘の女子高生知世ちゃんの活躍をのぞいてみましょう。
主人公は女子高校生水原知世ちゃん。
彼女は『祓い屋』というお仕事をしています。
祓い屋とはこの世に留まる霊を追い払うお仕事です。
悪霊って普段我々の目には見えないのですけど、身近にいて。ひょっとすると日常の中で起こる怪現象は彼ら霊が起こしているものかもしれませんね。
子ども諸君に言いたいのは霊ってバカにしちゃいけないです。遊び半分で悪霊に近づくのもいけない。
じゃないととても恐ろしい目に……
とても読みやすくて、入り込んで読んでおりましたので読み終えるのは少し寂しい気持ちです。知世ちゃんの性格にも好感を持ちましたし、学生ながら働くって偉いなと。
夏休みの今も祓い屋のお仕事をこなしているのかもしれませんね。
短編連作で、章ごとに違ったお話が楽しめてそこもまた魅力です。
恋もあり（？）、修行もあり、知世ちゃんの祓い屋ライフを応援しましょう！
ジャンルはホラーですけど、「えー、ちょっと怖いのは無理～」なんて思っているアナタ！
大丈夫、確かに扱っている題材はホラーですけど、怖くはありません！
地縛霊はもちろんのこと、日常に潜む怪異、都市伝説などなど、人に悪さをするモノ達を祓ってくれる『祓い屋』のお話です。
主人公である祓い屋の知世ちゃんはツインテールが可愛いピッチピチのJK（言い方よ）！
だけど、いまどきのJＫぽくなくて、天然気味。彼女に密かに思いを――いえ正直全く密かじゃないんですけど――寄せている彼からのアプローチにも全然気づきません。
年頃のJKらしく、その辺もちょっと頑張ってほしいともどかしく思いつつ、だけれども、それも可愛いからそのままでいいような気も……あーでも、ちょっとは気付いてあげて――！！
といった具合に、肝心の祓い屋部分ではヒヤヒヤドキドキさせられつつも、このほんのりとした恋愛パートでも別の意味でドキドキしちゃう、そんな可愛いホラー作品です！