愛情という名のエゴ

クラス委員をする主人公と、高校には来ているけれどいつも音楽室でピアノを弾くだけの授業拒否生徒、照江の少々いびつな同性愛青春白書です。
両者の仲良くなる切っ掛けが給湯器の音楽という自然な導入と、ハラハラさせるような驚愕の展開、そしてその先にくるまさかのラストと最初から最後まで楽しませてくれた名作でした。

特にオチがとても素晴らしい。過去から続く未来が突拍子のないファンタジーではなく誰もが納得のいく現実的なものである所も良かった。それでいてしっかりと罰を受けるべき者には皮肉なペナルティを課しているのだからまさに喝采ものでした。

露骨な性描写等もないので、誰でも読みやすい作品に仕上がっています。
運命の綾を味わいたい貴方へ、是非!