主人公の剣士ルドルフさんは冷静で凄腕の大男という頼もしさの塊のような存在感があり、彼の連れ合いとなる魔法使いのモノさんは腕は立つのですがそれ以上に明らかなワケアリの少女で、杖に秘めたる力は筆舌に尽くしがたく…!?
このお二人を主な視点人物に話が進んでいくのですが、ある意味このお二人よりも中心となるのが、王子アルラーシュ様です。
若干世間知らずですが気取ったところがなく公正かつ利発で、己の未熟さを歯痒く思うシーンなどを見ると、とても謙虚な方なのがわかります。
このお人柄だからこそ、多彩な有能さを持った人材が自然と周囲に集まり、慕われるのでしょう。
容赦のない怒涛の展開が過ぎ去り、依然難局を迎えていますが、彼らならきっと乗り越えられるはずです。
なぜなら単なる力だけでなく、新たな味方や仲間を引き込む器が、彼らには備わっているから。
強大な敵、渦巻く陰謀、謎に満ちた世界観…語り尽くせぬこの作品を、ぜひ御一読ください。
本作は四大元素の精霊が棲まう異世界を舞台として、年若い凄腕の剣士が幼い魔法使いの少女と出会うことから始まる物語です。
帝国将軍という重役に付きながら、職を辞して旧友に会うための旅の途中、主人公は野盗に襲われていた少女を助けます。そして、偶然にも目的地が一致したことから二人は同道することになり、始めは警戒していた少女も徐々に心を開いていくのですが、世界には戦乱の兆しが見え始めていたのでした。
古き良きファンタジー作品の王道を抑えており、剣と魔法と杖の世界が展開されています。昨今の異世界転生(転移)ものには飽き気味の方、原点回帰をしたい方には特にお薦めの作品です。