タイトルを一見すると、「何のこっちゃ」と思うかもしれません。
バスドラからはバスドラの音がする筈。なのに「僕のベースの音がする」と仰る。
こわッ!と思った方、ご安心を。これはホラーではありません。ギャグでもないです。でも強いて言えば、ほんのりホラー要素はあるのかも。
このレビューも何を言ってるかわかりませんね。ごめんなさい。
主人公である「僕」の一人称視点で物語は進みます。他に登場するのはお母さんとお父さん、それだけです。
3人とも温かい。家庭環境を掘り下げれば様々な苦労はあるのでしょうが、読者をそちらに引きつけません。
お父さんはきっと夢が叶ったのでしょう。男の子を持つお父さんなら、一度はこうしたいって思うのではないかと。
ギターは初心者に毛が生えた程度で終わった自分も、ガチめのブラスバンド経験はありまして。ピタッと合った時の感覚というのは共通なんだなと感じました。
最後、ちょっぴり大人びた感じの「僕」の台詞に、「僕」からお母さんへの思いとお父さんからお母さんへの思いが重なっているようで、こちらも温かい気持ちになりました。
良い読後感を得られる作品。是非ご一読を。
…お父さんがX○apanのY○shiki氏ばりにバスドラ踏み抜いてたらどうなったんだろう。