こぼればなし

*本章はフィクションではありません。あとがきみたいなやつです*


 そろそろ四回ほどお世話になります企画、ペーパーウェル様。

今回のお題が「散歩」と決まった時、第一の感想としては「わたしの作風で書けそうな感じがしないなぁ、パスかなぁ」でした。

 そう、「散歩」といえばそこはかとなくほんわかとした、長閑で小さな幸せ、そんなイメージがありますよね。しかし文学フリマ東京も終わってしばらく、落ち着くタイミングですしせっかくなので参加したいものです。ふとした瞬間に考えたり考えなかったり、そんな感じで過ごしていましたらある日天啓が。


 アーティスト・斉藤壮馬さん(声優さんですが、本件に関してはアーティストとしての斉藤さんをリスペクトした結果なので敢えてアーティストとして扱います)、1stAlbum「quantum stranger」収録(Singleもあります)「デート」の歌詞を抜粋。


' もうやっぱデートにしたいこの夜

正直タクシー代はちゃんと持ってるけど

冥土の道みたいね

このままそっと ぎゅっと もっと あと5センチメンタル ’


「冥土の道みたいね」

これが突き刺さったわけですよ、わが魂にぐっさりとビリビリと。

しかも曲名「デート」ですよ?やっすい言い方をすれば淡い恋心とも言える気持ちの揺らぎをノリのいいポップチューンとご本人のかわいらしいお声そして表現力で歌い上げる曲に「冥土の道」?天才か??(※「デート」の作詞はご本人です)


失礼しました愛が溢れました。

口下手な人間にとって、この「冥土の道みたいね」っていうのは、あながち意外性のある感覚でもなくて、わたし個人としてはそういう体験はないんですけど、大きすぎる気持ちを抱えた相手とお散歩できることが必ずしも幸せ100%っていうことはないんじゃないかと思い至ったんですよね。


本作は短いながら、気持ちを表すのが極端に苦手すぎて(思考回路的に)おもしろいことになっちゃってる「わたくし」がこの散歩をどう感じているのか、そこが魅力として伝わっていたらいいなあと思っています。


2021.5.6 言端

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惑い道 言端 @koppamyginco

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