単なるサボテンじゃなかったのか~!

 まず、『サボテンは話しかければ良く育つ』というスタート地点から話を展開させていくという点が秀逸です。

 そして幸子が愚痴を言う理由づけとして、サボテンに話しかける。この行動に人間味を感じます。

 また、導入部分の不幸エピソードを起点として、ネコやスズメ、鉛筆の精霊という形で後々の展開に対する伏線になっている。それぞれのエピソードが単一のエピソードではなくちゃんと繋がっていて、全体の流れに利用できているのがうまいと思います。

 個人的に特に面白いと感じたアイデアは『鉛筆を転がすのを予知能力と結びつける』というものです。

 全体の感想としては、どんな出来事も捉え方や立場によって幸にも不幸にもなる――そんなことを感じました。

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