ダブルクロス3rd関連の雑記とか適当に

住吉

雑記

雑記:クロウリングケイオスについて

ダブルクロス3rdのサプリメント「クロウリングケイオス」についての雑記です。

この記事を書く時点でGM1回、PL1回経験しています。


■クロウリングケイオスとは

2021年4月19日に発売されたダブルクロス3rdの最新サプリにして、独自のルールに基づいた特殊ステージ(クトゥルフステージ)であることが特徴です。「クトゥルフ神話TRPGの世界観をダブルクロスに落とし込んだもの」という表現が適切かと思います。オーヴァードのルーツが古代のウイルスではなく、異世界の邪神由来の力と解釈しているなど、基本ルルブの説明も通用しないほど設定が変わっています。世界観についてはクロウリングケイオスの設定を読むか、いっそクトゥルフ神話関連の記事を読むほうが理解が深まる気がします。

基本ルルブ環境で使用する前提で書かれており、「基本ルルブ1、2」と「クロウリングケイオス」があればセッションを行えます。クロウリングケイオス以前のサプリは「エフェクトアーカイブ(EA)」を前提としたものが多かったので、敷居の低いサプリメントと言えるでしょう。

(クトゥルフ神話TRPGプレイヤーをダブルクロスに引き込むために敷居を低くしたのかと)


■ルール・システム面

ルールやシステムについては基本ルルブから大きく変わっています。代表的なポイントは以下の通り。

・PCはワーディングが使用できない

・登場判定が固定値(侵蝕率1)

・衝動判定の代わりに恐怖判定がある

・探索判定という独自判定がある

・魔術判定という独自判定がある


▼PCはワーディングが使用できない

世界観にも関わる大きな変更点です。ワーディングは神話生物が使用する結界のような設定に変更されており、PCは使用できません。一般人がワーディングの中で活動できない設定はそのままなので、オーヴァードの優位点は「ワーディングの中で活動できること」となります。この設定が政府がUGNという危険分子を生かしている理由になっているところも面白いです。

PLとしては、ワーディングで一般人を事件に介入させないといった動きができなくなるので、エフェクトの使用は通常ステージ以上に慎重に行う必要があるでしょう。


▼登場判定が固定値(侵蝕率1)

これはGMとしてもPLとしてもかなりありがたい改良でした。後述する恐怖判定や探索判定による侵蝕率上昇があるため、それのカウンターとして登場判定の侵蝕率を抑えている…というのが実情です。しかし、セッションで一番の不確定要素だった登場判定が1に固定されるのは、GMとしてはシーンが刻みやすくなる、PLとしては他PCのシーンに登場してRPを挟みやすくなるとうまみしかありません。一度経験してみると、ダブルクロスの登場判定は全部1でよかったんじゃないかと思えるほどです。(自分がシーン数の多いシナリオを書きがちというところもあります。)


▼衝動判定の代わりに恐怖判定がある

クトゥルフ神話TRPGでいうSAN値チェックのようなシステムとして「恐怖判定」があります。神話生物と接触するなど狂気に飲み込まれそうになると発生する判定で、セッション中にそこそこの頻度で出てきます。判定は〈意思〉で行うなど衝動判定と似ていますが、侵蝕率の修正を受けない点には注意が必要です。恐怖なんて失敗時はランダムにバッドステータスを受けますが、ビルドによって致命的なものもあるので対策は必要でしょう。【精神】を高くするか、〈意思〉を上げておく、またはバッドステータス回復エフェクトを所持するとよいでしょう。


▼探索判定という独自判定がある

情報収集フェイズの亜種として探索判定があります。これは情報収集で行っていたことをマップ探索に置き換えたようなものです(音楽室の探索には「知識(音楽):目標値8」が必要など)。クトゥルフ神話TRPGと言えばマップ探索みたいなところあるのでこのようなシステムが備わっているのは良いですね。そのまま通常ステージ環境のセッションに持ち込んでよいシステムだと思います。単なる情報収集と違って、実際にその場所に移動して判定を行う(という描写になる)ので、複数人で行けばRPも深まります。

探索判定中は5回判定を行うごとに登場判定の侵蝕率が上昇する「警戒度」というシステムもありますのでそこそこスリルもあります。


▼魔術判定という独自判定がある

魔導書というアイテムを所有することで魔術を習得できるギミックが追加されました。魔術はシンドロームによらないため、一般人でも使用できます。とはいえ、精神力の影響を受けるため、強力な魔術師はオーヴァードでもあるというのがこのステージの設定のようです。魔術の使用には魔術ロールという特殊な判定を行う必要があります。普段のダブルクロスの上方ロールではないため困惑する部分も多いかと思いますが、サプリを読めばやり方はわかると思います。

なお、残念ながら戦闘で使用できそうな性能のものはありませんでした。使用用途の不明な魔術が9割、一部の使えるものでも魔導書入手と習得に経験値を支払ってまで使うかと言われると微妙なものばかりです。

一応、邪神を呼び出してポケットモンスターする(戦力に加える)ことはできますが、どこまでできるかはGMの裁量次第なところもあるため、安定感にかけるシステムです。敵を殴るなら己の拳に頼るしかなさそうですね。自分はエフェクトを捨てて魔術に特化したキャラクターも作れるのではと期待していただけにこの仕様は残念でした。シナリオフックとして利用するというのが現状の使い道だと思います。


■追加シンドローム:アザトース

クロウリングケイオス専用のシンドロームです。非常に強力なエフェクトが多数備わっていますが、一方で小回りの利かない不便さも感じました。ダイス増加エフェクトも素手変更エフェクトも強力で、シーン攻撃化まで備えているので、火力特化ビルドしたい方にはよいと思います。ちなみに癖の強いシンドロームなので、コンストラクションではなくフルスクラッチ向けですね。


■クロウリングケイオス環境でのキャラビルド

上記の通り、クロウリングケイオスは独自の判定が多く出現します。また、基本ルルブ環境であるため火力や能力値の盛り方にも制限がある上に、ミドルフェイスでも戦闘が起こりやすいバランスなので、クライマックスだけでなくミドルから火力を出せることを意識するといいでしょう。また、【精神】のダイスを2個以上、無理なら意思のLvを上げておく…と言ったことも意識する必要があります。

個人的に一押しなのは、ブラックドッグ/ノイマンのハードワイヤード多刀流ビルドです。《ハードワイヤード》で「アームブレード」を複数入手して、《マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》で殴りつけるビルドは基本ルルブ環境での鉄板でしたが、今回は【精神】の高さが重要であるため余計に強力になりました。《バリアクラッカー》まで取ることができれば神話生物の頑丈な皮膚もぶち抜けます。

ちなみに、クロウリングケイオスのサンプルキャラクターは使い物にならない性能をしているので参考にしないほうがいいです。その上、誤植・経験値計算間違いもひどい。あの性能でサンプルシナリオ回したのか心配になるほどなので、ぜひご自分でビルドしてみましょう。サンプルキャラ使うならまだ基本ルルブ1に記載されているもののほうが良いと思います。



■備考

これからクロウリングケイオスで遊ぶ方に向けて。

クロウリングケイオスは自分も大変楽しいシステムだなと感じていて、実際流行ってほしさはあるのですが、癖の強いサプリになります。クロウリングケイオスの世界ではオーヴァードは超人!スーパーマン!的な存在ではなく、邪神の影に怯えながら暮らす矮小な人間です。超能力で無双したい人には向かない設定かと思います。ホラーテイストの強い作品なので、ホラゲーだったり、むしろ理不尽な死にゲー好きな人のほうが受け入れられるかもしれません。

あと、クロウリングケイオスは「誤植がひどい」です。いや、マジで。判定やマスタリングに影響ありそうな誤植も散見されますので、公式サイトのエラッタはぜひご確認ください。ちなみに2021年5月27日に最新のエラッタが上がっていますが、これでもまだまだ不十分です。たぶんあと3回くらいはエラッタされるんじゃないかな…。

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