─自分───

取り敢えず、今の状況で分かることを整理しよう。まずベッドの上ながら、自分の体を見てみた。

少し大きな手が、細くもなく太すぎる訳でもないが、それでいてたくましい腕に付いている。体付きもしっかりしており、若干締まっている。16~18歳の普通の男子高校生と言ったところか。

男子高校生と言ったら青い春を高らかに歌っていそうな年頃だが.....過去の自分はどうだったのか?!?!?

などとくだらない事を考えつつ....

しかし、顔が見れないことがものすごく遺憾だ....さぞイケメンアマイマスクなことだろう....

少し気になった事としては両腕のあちこちに小さな裂けたような傷痕があったことだ。気にするほどでもないだろう。体についてはそんなもの。

そして、目覚めてから自分の考えていることを思うと、結構しょうもな....ジョークがふんだんに含まれていたり、割と知識人?な感じがするような...???

おいおい、イケメソ&知識人の男子高校生とかどっかのハーレム系ラノベの主人公かよHAHAHA

うん....この調子だと退屈しなさそう....

それにしても寝ているだけでは暇でしょうがない。

と言っても今することなんて何もなさそうだし....

再度自分の居る部屋を見渡して見ると

あまり広くはなく、少し大きめの窓があり、自分の寝ているベッドで3分の1程を占めていた。他にはモニターやらなんやらが置かれているのみであとは何も無い。

強いて言うなら

窓辺に一つ、白い花瓶が置かれ、花が飾られていた。

濃いブルーが褪せたような、少し物悲しげな色の花弁に、太陽のように明るい黄色の花序。

それを初夏の水々しい日差しが包み込み、ベールのようになっている。

まるで一枚の美しい絵だ。

「ミオソティス....」

何故か、僕はその花の名前を知っていた。


和名、勿忘草(わすれなぐさ)

花言葉、思い出

英名、forget me not(私を忘れないで)


今の僕にぴったりの花だ。

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スミレにプラタナス 鬼籍入り @tyuusann

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