スミレにプラタナス

鬼籍入り

─目覚め────


(なんだ....これ...?)

気が付くと、妙な感覚に包まれていた。

まるで、水の中に浮かされているような。

まるで、母の胎内に戻ったような、そんな感じだろうか?

周りは暗く、音も聞こえないようだが.....


(....ピッ....ピッ....ピッ....)

目が開くと、今までのモノは消えて無くなっていた。

その変わりというかのように、眼前には知らない天井が広がっていた。

「知らない天井.....か」

こういうシチュエーションではお決まりの一言である。1度は言ってみたかった。

.....重力がバグってない限り、僕は寝かされていることになる.....

そして、案の定寝かされている訳なのだが、広い部屋にポツンと置かれたベッドの上だった。

(ピッ....ピッ....ピッ....)

枕元には、テレビではお約束の病院モニターが脈拍数を教えてくれている...



天井が目の前に広がる(寝ている)·····①

多分ココ病院·····②

My own room!=集中治療室と思われる····③


①、②、③より

僕は恐らく、なんらかの事故に会い、ココに担ぎ込まれたということが証明出来ます。


Q.E.D.


まぁ、そこまでは良い。

割とありがちな展開だ。

だけど....この違和感はなんだ....?

何か大事な事を忘れているような....?

取り敢えず、今までの事をかいそ.....

ん?んん??んんん?!?!


頭の中が真っ白だった。まるでキャンバスだ。今から描き始めようとしているような。

まるで最初から何も無かったかのように、跡形も、何も無い。


記憶喪失か....?何故....?

まぁ、起こったことはしょうがない。

少しずつ思い出していけばいい。



ここから、僕の探究の日々が始まる。










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る