夜の散歩はプリンを持って

古今東西、吸血鬼を題材にした物語は数多く存在しますが、これほどキュートなお話も珍しいのではないでしょうか?

物語はほぼ二人だけの進行です。
それぞれはコンプレックスを抱えながら、同じ時間を過ごすことで、お互いを求める気持ちを育んでいく。

それにしても、お強いはずの伯爵様は随所にお可愛い。
普段は頑なに話すこともしないのに、たまに口を開いたかと思えば「キミの気を惹きたくて」だと?
読んでるこっちが惹かれてしまいましたよ?

とまあ、焦れ焦れ甘々で物語は進みます。

そして杞憂は覆される。
だって、誰かを想うのに必要な条件って、好きという感情だけあればいいじゃないですか。

でも私としては人間のままでいたいので、これから散歩をするときは、プリンを二つ用意しておこうと思うのです。