これは詩であり、小説であり、街ですれ違った誰かさんの物語

 詩のような文体、現実と妄想が入り乱れる描写が素敵です。特に冒頭から繰り返される『おとこの娘』の描写は白眉の出来だと思います。本作の主人公は、女性的だけれども娘ではない、どこか退廃的な魅力に溢れた『おとこの娘』です。ヒリヒリするような美しい『おとこの娘BL』が読みたい方へ、オススメです。