第2話花咲く乙女の

ぼおううう

ぼおうう

遠くに聞こえていた音がだんだん近づいてくるみたい。

空気が少し冷えきているの、そうするとねいつもの音が聞こえてくるのね。

「もう夕方なのね」風の音が知らせているのはもうすぐ危険な時間になる知らせということね。

その音は天井に空いた穴から聞こえてきてそれは外界につながっていると言い伝えられてるの。

黒板に文字を書いていたチョークのキキ音が止まった。

「今日の授業はこれまで、日が暮れると危険だから、みんな哺乳類が出てくる前に家に帰るように」先生が少しくたびれた尻尾飾りを振って帰るように促した。

「まだ明るいのにね」マイ・ミーは残念だった、今日はまだメトロに新しい尻尾飾りを見せていないのに、きのうお父さんが買ってきてくれたのに。

天井の光る石はいつでも明るいのに。

「ねえねえ哺乳類って見たことある?」ファ・ニールがほっぺたをくっつけながら聞いてきた。

「ないよおお、そんな怖い物」卵産まない生き物なんて怖いよう。

怖くてちょっと震えちゃった、思わず中指の爪を噛んだ。

「あなた、ほんとおおに怖いのね、いっつも怖いと癖で爪を噛むものね」ペロッとほっぺを舌先でつんつんされてしまった。

「ファニったら意地悪だわ」

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マイクロザウルスalive 猫3☆works リスッポ @nekosanworks

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