概要
ヤクザのくせに愛とか言うな。
檻の中のヤクザと元顧問弁護士のお話。『草食アングラ森小説賞』に参加してます。
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- ★★★ Excellent!!!『危険な香りのする男』からしか得られない栄養素
刑務所の面会室で久々に顔を合わせるふたり、暴力団の若頭と元弁護士の男の、これまでとこれからのお話。
シンプルながらも非常に濃厚な、現代ものの掌編です。なんでしょうかこのとてつもない色香は……ヤバい男の放つ魔力のような魅力と、それに狂わされてしまったもうひとりの男の、容易には言い換えの効かない特別な関係性と、そこに伴う感情の物語。
彼らの人物造形というか、その魅力の書き表し方のスマートさがもう本当にすごい。作中の出来事自体は至ってシンプルで、ただ密室でふたりが面会するというもの。しかしその最中にこれまでの来し方を回想のように振り返って、しかしそれだけで十全に語られる彼らの関係性。そして、…続きを読む