傭兵トーヤが過去を語るシーンから始まる物語。
どうして女神シャンタルの器である生き神シャンタルと旅することになったのか。
物語は別世界の話。女神たちが地上に残った世界。
最低限の登場人物たちによって、繰り返し語られる世の仕組みに、物語世界の知識は何の苦もなく私たち読者の身体に浸透していきます。
簡単に、物語の中に没入し、トーヤ、シャンタル、その他の人物たちに「共鳴」したり、つっこんだり、慰めたりしてしまうでしょう。
時に厳しく抗いようのない「託宣」に縛られながらも、基本的には優しい想いが溢れる世界が描かれています。
ゆっくり、じっくり、彼らと時を共にしてみてください。きっと最後に「面白かったよ」と言えば、シャンタルがこう返してくれます。
「そうなの! 面白いの!」
この作品の凄い所は優れた文章表現力による圧倒的なリアリティです(^.^)🍑
実は私は異世界ファンタジーと言うジャンルは苦手なのです。
その世界観にリアリティを感じられないからです。
しかし、この作品は違います。
情景描写、人物描写、心象描写、そのどれもが優れています🐦
私にとっては、この作品は異世界ではありません。
この地球上の何処かに実際に存在する現実なのです。
この世界では「生き神様」と言う言葉がキーワードになっています。
神様が実際に生きて存在しているのです。
しかし、この神様は簡単に奇跡を起こしてくれる便利な存在ではありません。
「託宣」と言われる一種の預言を不定期に述べるだけです。
その預言も具体的なものでは無く、いつ起きるのか判らないものです。
上記した「生き神様」も含めたこの世界は驚く程に緻密に構成されています。
この文章表現力と構成力はため息が出る程に凄まじいのです🌳
だからと言って読みづらい作品ではありません。
それは登場人物達が生き生きとしていて私達のすぐ隣にいるように思えるからです。多種多様な様々な人達が出て来ますが、皆とても魅力的です🌷
全ての登場人物達にそれぞれの背負う過去があり「運命」があるのです。
私の拙い文章ではこの作品の素晴らしさは語れません。
是非、読んでみてこの世界観を共有して欲しいと思います(^.^)🍎