「君の名は」という有名なアニメがありますが、あの映画のテーマを個人的に解釈しますと、「大切な人がいた事を忘れてしまっていませんか?」という問いかけに感じるのです。
平凡な、つまらない人生だと毎日を憂いている人。
結婚していても倦怠感を感じてしまっている人。
恋人がいる人も、まだ今生では運命の相手と添い遂げてない人も、既に来世に託している人も、前世や異世界で強い絆を結んだ誰かを忘れてしまっているかもしれません。
もちろん、無意識に出会う事ができて幸せを感じている人も、新しい絆を結び直している人だっているのでしょう。
でも、深く長く強く、魂に刻まれた相手とは、そう簡単に離れる事も出来ないのではないでしょうか?
本作が進む道は明確です。
誰と誰がペアか、この推理に間違いはないはずです(え、大丈夫だよね?)
さて、現時点での考察は野暮なので省略しますが、本作が内容だけではなく、絶対的強者である理由を改めて評しましょう。
絵師ガチャという言葉ご存知でしょう?
文字だけで表現する方の多くはファンアートや書籍化などを待たなければ(自作と言う手もあるが……)得られないキャラのビジュアルイメージ。
これを初期に、しかも最上級レアとして装備しております。
リアル奥様です。
随所でめっちゃ惚気ているので、誘いに負けて突っ込めば玉砕必至な、らぶらぶ夫婦。
爆ぜろ、もげろ、という言葉の使い所をたっぷりと理解する毎日です。
そして気付きます。
本作は、作者様ご夫妻の「史実」なのだろうと。
いや、あくまで創作と言い張るはずですが、アカシックレコードはちゃんと見ています。
存じ上げていないだけで、この物語は既に二人が体感してきた物語。
どちらのカップルにも共通する空気感は、誤魔化せないものです。
そんな、らぶらぶ夫婦のプライベートエリアを見続けるような本作ですが、これからも出歯亀の気持ちで覗き続けようと思います。
観測されない事象は存在しないも同じ。
だからこそ私は最後まで付き合います。
既に結論は出ているかもしれませんが、私の中で、この二人のハッピーエンドを確定させるために。
(※第1幕読了時点の感想です)
幼いころから立て続けに両親を亡くし、実質天涯孤独の身となってしまった高校生の主人公。平凡で代わり映えの無い毎日にある日突然現れたのは、なんと自分の事を「パパ」と呼び、さらには求婚までしてきた謎の少女!? 一見、ほのぼのラブコメかな?と思い読み進めると、見事に作者の思惑にはまります。
この作品の見所は、細部に張られた伏線と魅力的なキャラクターです。序盤は仲の良い男友達と過ごす、ギャグに溢れた学校生活。主人公の大地と相棒的な立ち位置のヤスの掛け合いに、何度笑わされたことでしょう。そして謎の少女の登場からのドタバタな日常生活の始まり。なんとなく読み進めていると、実は後の展開につながる伏線が落ちていたり、何気ない会話の中にも彼らの人となりを露わにする言葉が潜んでいたりと、油断できません。
主人公の大地は自らの意思で一人暮らしをしていますが、家での様子は淡々としており、年頃の男子高生とは思えない程落ち着いた生活をしています。だけど、どこか味気ない、何かが欠けているような気持ちになります。また、彼自身も過去の出来事がきっかけで何かを諦めているような、なんだか訳ありな雰囲気が徐々に出てきます。きっとそんな彼を助けてくれるのは、謎の少女をはじめ、彼を取り巻く素敵な面々なんでしょうね。まずは是非、第1幕の最終話まで読んでみてください。