天涯孤独な青年を救う、笑いあり感動ありのラブコメディ。

(※第1幕読了時点の感想です)

幼いころから立て続けに両親を亡くし、実質天涯孤独の身となってしまった高校生の主人公。平凡で代わり映えの無い毎日にある日突然現れたのは、なんと自分の事を「パパ」と呼び、さらには求婚までしてきた謎の少女!? 一見、ほのぼのラブコメかな?と思い読み進めると、見事に作者の思惑にはまります。

この作品の見所は、細部に張られた伏線と魅力的なキャラクターです。序盤は仲の良い男友達と過ごす、ギャグに溢れた学校生活。主人公の大地と相棒的な立ち位置のヤスの掛け合いに、何度笑わされたことでしょう。そして謎の少女の登場からのドタバタな日常生活の始まり。なんとなく読み進めていると、実は後の展開につながる伏線が落ちていたり、何気ない会話の中にも彼らの人となりを露わにする言葉が潜んでいたりと、油断できません。

主人公の大地は自らの意思で一人暮らしをしていますが、家での様子は淡々としており、年頃の男子高生とは思えない程落ち着いた生活をしています。だけど、どこか味気ない、何かが欠けているような気持ちになります。また、彼自身も過去の出来事がきっかけで何かを諦めているような、なんだか訳ありな雰囲気が徐々に出てきます。きっとそんな彼を助けてくれるのは、謎の少女をはじめ、彼を取り巻く素敵な面々なんでしょうね。まずは是非、第1幕の最終話まで読んでみてください。

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