事件の行方と恋の行方。その結末は、ペンギンだけが知っている?

ごく普通の水族館職員である壮介。普通でないことといえば、本作が東日本がグンマを首都として独立したという世界観であること。それと、壮介の担当するエンペラーペンギンのペンスケが、人語を解するということくらいでしょうか。

というわけで、多少変わった設定や存在もありますが、だからといって壮大な冒険ファンタジーが幕を開けるわけではありません。そもそも本作のジャンルはミステリー。ミステリーたるもの、多少のファンタジーはあっても、何でもありになりすぎてはいけません。

ある日、水族館を訪ねてきた一人の芸大生、相内さん。壮介は、彼女の制作に協力することになるのですが、彼女の通う大学で事件発生。一介の水族館職員であるにも関わらず、色々あって壮介が探偵役に。
そんな、歴としたミステリーなのです。

そして、そんなミステリー部分と並ぶ本作の魅力が、壮介と相内さんとの掛け合い。
職員とお客さんという関係から始まりますが、そこは男と女。だんだんと距離が縮まり、これからどうなるのとニヤニヤしながら見守らずにはいられません。これまでさんざんミステリーミステリー言ってきましたが、この二人のラブコメとして見ても面白いのです。

事件の真相と二人の行方。両方の意味でドキドキすること間違いなしです。

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