救済の「死」は、あまりにも優しい

「こんなおもんない異世界におってもしょーもないです。
 せやからとっとと死にましょ?」

 全くもってその通り。
 この小説は、主人公である「コトリ・チョウツガイ」が、脇役のスタンスをとる一風変わった構成をしている。
 章ごとの主人公はさまざまな問題を抱え、必ずコトリの(もしくは安楽庵探偵事務所の誰かの)手にかかって死を迎える。

 それは虐げられ、絶望の生を送ってきた者にとっての救済であったり、少し残念な武士が最期に見せた凄まじい覚悟の死であったり…ネタバレになるのでこれ以上は控えるが、必ず彼らには「救い」がもたらされる。

 四柱推命をはじめとした、あまり知名度のない東洋思想が色濃く描かれており、そこは読む人を選ぶかもしれない。
 半端に知っている人ほど多分混乱する。何も知らなければ「変わった名前のスキルですね」で普通のファンタジーとして読めるかもしれない。

 ところであなたは、上半身丸出しと下半身丸出し、どちらが恥ずかしいでしょうか。

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