選択肢は『YES』か『NO』だけじゃない

読了いたしました。
多感な14歳の少年少女たちが、じぶんの性について悩んでいるお話。

性転換が外科的手術によるものではなく、肉体と精神の交換という発想は斬新ですし、そうした技術が確立された近未来の日本で、『交換』した男女同士が婚約者になるなど、細かな箇所まで配慮が感じられました。

100%男で、100%女の人なんていない。たしかにそうかもしれません。そんな不安定な私たち人間という存在を、雄でも雌でもあるクマノミになぞらえた、巧みなタイトル回収にも脱帽です。

このご時世に取り上げるのはなかなかにナイーブなジェンダーの問題ですが、登場キャラクターひとりひとりがじぶんの考えを持っていて、男と女だけじゃなく、性別にも色んなかたちがある。そんな可能性を感じさせられるストーリーでした。