第2話


こんな命令を俺にしてきたのは

学年一性格の悪い男、だが、学校一のイケメン男でサッカー部のエースストライカーの藤島だった。


陰キャぼっちな俺を無理矢理ポーカーに誘い、

あまり運がよくない俺はカードが配られた時点からなんとなく負けるなと思っていたが、

やはり、負けた。


「おまえの幼馴染であるリョーヤは一応、外見男前だから。ま、中身はおまえと同じ陰キャ属性だけど。リョーヤは俺には顔、完全に負けてるけど。まぁ、女装すりゃ、そこそこのクオリティは出るだろ...?美少女にはなるだろ?

その点は俺のせめても温情っつーか!

で、キスやハグもしろよ。

その写真、ちゃんと撮って俺に見せろよ...!」


藤島は俺のこと。


常日頃、パシリにしたり、

宿題を写させろ...!と

いじってきていたが。


遂にそのいじりがエスカレートして、

こんな罰ゲームまでさせるなんて。


「ぶっちゃけた話、俺はな、

おまえら陰キャに色々させて、ストレス発散してるわけ!先生の前で、優等生ぶってるとな、

滅茶苦茶ストレスが溜まるわけよ...!」


「解るだろ、陰キャなシンジくんよぉ、、」


俺の肩に手を回し、体重をかけてきた。


リョーヤをチラリと一瞥すると。


諦めたように目配せしてきた。


そして言った。


「しゃーないよ。俺、女装するからさ...

そんでキ、キスとかも...」



「俺、男とキスとかしたくないよ!!」


キスするなら、好きな女子としたいよ!


そう、叫びたかったが。


藤島の前で反抗的な態度を取ると。


また、何を言い出すか分からないので、

その言葉をぐっと飲み込んだ。


「じゃ、明日。

その写真見せろよな。

やー、楽しみだな!陰キャ同士のキスとかwww」



藤島は席を立ち、カードをしまって

俺ら二人の前から居なくなった。














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る