第11話


翌日。

学校に行くと、教室で藤島が待ってましたとばかりに

俺とリョーヤを待ち構えてて。

室内に入るなり、


「おい、リョーヤ、シンジが女装男子とキスやハグしたところ、見せろ...!」


と言ってきた。


リョーヤは落ち着き払い、


「はいこれ。かなり女装クオリティ高いから

びっくりすると思うけど、確かにキスやハグとかしてるからね...」


リョーヤによって差し出されたスマホの画面を覗き込み、

藤島はなんか、よく分からないけど、

震え出した。


「待てこれ...」


「ガチな女なんじゃねぇのか...??」


「この大き過ぎる胸のふくらみ、どうやって作った...?」


「いや、そんな事はないけど...」


「ふくらみは、その、、シリコン??」


リョーヤはそう適当に言ったが。


ダメだった。誤魔化しきれなかった。


「おっはよー、シンジ先輩!」


同じ高校に通うリョーコちゃんが。


教室に飛び込んできて。


嘘がバレた。


「これ、お弁当作ったんです!食べてくださいっ!」


「ほんとはー、お兄ちゃんに渡してもらおうかとも思ったんだけど、間に合わなくて...!」


「もう、一品、

男子が好きなものを、と思って、とりの唐揚げとかー、頑張って作ったんです!」


「うわ...」


藤島は、一歩も二歩も後ずさった。



「写真の女...!

しかも、昨日、街で俺のナンパを無視した女...!」


「あ、昨日のしつこい、男の人!!」


「だめですからね!私、

あなたとは付き合えません!

だって、お兄ちゃんの親友のシンジ先輩のこと大好きですもん!」


「ちょ、じゃあさ、いつか、いつか付き合ってよ!

君は俺のタイプドストライクでさ!」




藤島と俺。


女のタイプが被っていたらしい。


なんかやだ。


この変なタイミングで

嘘がバレたけど。


藤島は怒らなかった。


大好きな女のお兄ちゃんってことで、

リョーヤをパシリにすることはなくなり、

俺は大好きな女の彼氏ってことで、

まぁ、手出しができなくなったとみえて。

二人して藤島の使いっぱは卒業した。


つまり、


俺も、リョーヤも、これ以後

平和に学校生活を送れてるんだな。


罰ゲームから何ヶ月か過ぎたけど。


相変わらず、

藤島の奴は、リョーコちゃんがフリーになるのを私服に金かけたり、

髪型を頻繁に変えたりして、

俺に振り向いてくれ!とでも言いたげに必死こいて待ってるけど。


お生憎さま。

今日も俺は彼女と一緒に帰る。


「安心してよ。

私はシンジ先輩ひと筋だからっ」


腕を組み。

胸が押し当てられている。


親友の妹がこんなに可愛いわけがないっ!

って、ちょくちょく思ってる俺がいる!









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罰ゲームで男友達(幼馴染)が女装して俺と寝ることになったんだが、どー見ても柔らかいし髪の毛からいい匂いするし、幼馴染の妹(巨乳美少女)来たよね...??「キスやハグしちゃう...?」 雲川はるさめ @yukibounokeitai

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