第101話 魔王の魂の固定化

「さあ、下を目指しましょう」

 左手の月読姫が言い、勝手に左手は動きベルの体を引き離した。

 その口調はどこか怒っているように聞こえる。

 なに、ちょっと焼きもちやいているのかな。

「仕方ないですわね」

 ベルは残念そうに言う。

 まあ、こんな死体だらけの場所では彼女の肌の温かさを楽しむのは場違いか。

 僕たちは部屋をでて下の階に向かう。


「そうですわ、月彦さん。伝言がありますのよ。月彦さんのご両親が天野さんのお家にこられたのです。百合ちゃんたちはまかせてほしいとのことです。そして皎血城を攻略したら会いにこいとおっしゃっていましたわ」

 ベルは言った。

 僕たちは下の階にむけ、螺旋階段を駆け抜ける。


 そうか百合ちゃんたちや安藤さん、美咲には父さんたちがついているのか。

 それは安心だな。

 それに父さん母さんが来たから後顧の憂いなくここに来れたとベルは言った。



 四階は無人であった。

 なんだか肩透かしを食らった気分だ。

 おそらく先程殲滅させた獣人たちが詰めていたのだろう。

 獣の臭いと固い毛だけが残っている。

 さらに先を急ごうとする僕の手をベルは引く。


「ちょっとお待ちいただけますか……」

 そう言い、ベルは長い手を僕の首に巻き付ける。

 間近でみるベルの顔は本当に整っている。切れ長の瞳が魅力的だ。

 小さな赤い唇が近づき、僕のものと重なる。

 ちろちろと舌が唇をこじあけ、僕の口の中に侵入する。

 生きている物のように動き、僕の口の中の頬の裏や歯茎まで綺麗になめとる。彼女は唾液をごくりと飲んだ。

「どうしたのさ?」

 ああ、それにしても彼女の舌は気持ちいい。

 ずっとこうしてなめられていたい。

 Qとのキスも気持ちいいがQはサキュバス特有の飢えのようなものがあり、どこかがっつくような感覚があった。

 ベルはそれとは違い、僕を気持ちよくさせようとしているような感覚がある。ベルの舌が口に入ると彼女を支配できた気分になり、性的な快感にプラス独占欲や征服欲も刺激され、快感が倍増する。


「私は魔王の席をいただきましたが、まだベルゼバブの魂を宿すには肉体がおいついていないのです。なので能力にばらつきがでてしまいます。獣人などを相手にするにはことたりるのですが、これより先、より強い敵があらわれたら対処できるかわかりません。ですからあなたの万能の霊薬エリクサーを注入してほしいのです。Qさんのようにね」

 ベルは言うとそっと手を僕のズボンの隙間にさしいれる。

 ベルの冷たい手が僕の下半身のものをぐっと握る。

 うふっとベルは微笑む。

「うれしい、私でもうこんなに固くなっている」

 ベルは言った。

 たしかにベルの言う通り、僕の下半身の分身はすでに固くなっていた。

 さわさわとベルはなでていく。

 ああ、ベルの手は冷たくてすべすべしていて気持ちいいな。


 もう、月彦。今度はベルゼバブまで隷属させるのね。

 まあいいわ。私のタイプじゃないけど好きにしなさい。

 左手の月読姫はちょと怒っている。

 なんだよ、タイプって。

 Qはよくてベルは違うのか。

 よくわからないや。

 僕はベルのようなお姉さんタイプは結構好みなんだ。

 エロゲーでもよくそんなジャンルをやってたし。

 もしかして月読姫はそれが気にくわないのかな。

 そう言えば陽美もお姉さんタイプのアニメキャラがいいっていうとぷっとふくれていたな。たしかに陽美は国宝級にかわいいが、包容力というのは一ミリもなかったな。


 ベルはかがみ、僕のズボンの腰の辺りに手をかける。ゆっくりとずらすと僕のギンギンにそそり立ったものがあらわれる。こんなところで下半身丸出しにするのは恥ずかしいがベルがこれからしようとすることに期待がたかまる。

 ベルが摂取しようとしているのは万物の霊薬エリクサーだ。それは僕の体に溶け込んだクリスタルから精製され、体液となって放出される。

 ベルをゾンビ化の毒から救ったのもこのエリクサーだ。


 うっとりとベルはそそりたつそれをながめるとついに口づけした。

 大きく口を開け、一気にひとのみにする。

「うっ……」

 僕は思わずうなる。

 それほどの快感が腰から脳天にむけて駆け巡る。

 ベルは舌と口をつかい丁寧になめ、吸い、くわえる。

 やがて唾液がたまりじゅばじゅばといやらしい音がする。

 さらに喉の奥をつかい、僕の熱いものをしめあげていく。

 ああ、これは気持ちいい。

 ベルは手でわっかをつくり根本をしごいていく。

 僕はその刺激に耐えれずにベルの口腔内に目一杯射精した。

 どくどくと脈打ちながら、僕はベルの口の中に射精した。

 ベルはさらに指に力を入れ、僕のものからしぼりあげていく。 

 尿道内に残った精液ももったいないとばかりに絞り出す。

 僕は射精にたいする快感に身震いした。

 僕はベルの頭を両手でつかみ、最後の一滴まで彼女の口の中にだす。 

 ベルは赤い唇からしたたる白い粘液を指ですくい、それもなめとり、すべてを飲み込んだ。


 するとどうだろうか。

 ベルの形のいい胸がどくんと脈打った。

 体が震え、どくどくと脈打つ。

 瞬時にベルの体が変化する。

 腕や足が一回りふくれ、うっすらと筋肉がつく。

 胸もツーサイズほどアップしたようだ。勝手な推測だがEカップはありそうだ。

 乳房の谷間がQほどではないが深くなっている。ちなみにQはJカップはあるといっていた。すごいや。


「気持ちよかったですか?」

 ベルは訊いた。


「ええ、とても」

 そう言い、僕は服をなおす。


「ありがとうございます。万物の霊薬エリクサーを摂取したことによりベルゼバブの魂は私に固定化されましたわ」

 ふふふっとベルは微笑む。

 ベルの笑顔は綺麗だな。


 先の戦いとベルゼバブの魂を固定化することにつかれた僕はこの部屋で休息することした。

 ベルにうながされ、僕は彼女の膝枕で休むことにした。


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目が覚めたらゾンビが徘徊する世界だったけど幼なじみがくれたギフトでのりきります。 白鷺雨月 @sirasagiugethu

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