第一部は平安時代。うっとりとする流暢な描写が、人間離れした美しい姫君のいる世界に読者を誘います。
雅な世界の中にある危うさともどかしさ。想い人に会えない姫君の恋慕が、一人の男を狂わせ、悲劇へと向かわせます。その悲劇さえも狂気的なほどに美しく、否応にも悲恋を盛りあげます。
第二部は現代編。第一部と同じ作者?と疑ってしまうぐらいに、いたるところに笑いが散りばめられています。
まず登場人物の名前。下鴨モチと恋神マロン。
美味しそうな名前ですよねぇ。そしてこのモチちゃんがいい子なのにモテない。努力する方向を間違っている残念な子。このモチちゃんのセリフが面白いんです。思わず応援したくなる愛すべきキャラです。
平安時代の姫君にかけられた陰陽師の呪縛が、現代にどう影響するのか。
先の展開が楽しみです。
平安時代の深層の姫が、ある男に恋をしました。
その想いは熱く燃え滾り、とどまる事を知りません。
でも、余は平安。おなごから殿方へ想いを伝える術はほぼ無いと言っておかしくなかった。そこで、姫が取った方法は……!?
このお話、平安編が終わったら現代にシフトしていくらしいんですよ。
このレビューを書いている段階ではまだ平安編なのですが、もうすでに面白いです。平安編だけで終わっても納得しちゃうくらい内容が濃い。
それが現代へと繋がるって、もう期待しかありません!
姫はぶっちゃけ性格は悪いです。
自分の欲のためなら手段を選ばないどころか人を巻き込んじゃう。
でも、それだけ強く思う男がいるってわけなんですよ。
想いと想いが絡み合った先に何があるのか。
今後も楽しみです!