私の心が高揚するのはいつも、言葉が生身のフィルターを通して提供された時なのです。
『碧落に君は消えゆく』という物語との出会い。
最初に手に取ったのは、そのタイトルに心が動いたから。これはいつもの事なのだけれど、期待に胸を膨らませ、一体どんな物語なのだろうと頁を捲る。
するとどうだろう。
言葉が重なり合い、生まれ、見えてきた景色が、胸を高鳴らせ、心を揺らす。
ああ、なんと心地よいのだろう。
もふもふと、少年と少女。
ボーイミーツガールを匂わせるこの期待感は、一体これからどのような物語を紡いでいくのだろう。
一つ一つの描写が緻密でいて秀逸な言い回し。時として重くなりがちなところも、命を吹き込まれた登場人物が動き出すことで、物語に羽を与えている。
語感の一つ一つがとても気持ちいいので、朗読しながら読むのもオススメです。
良き物語との出会いに、最大限の感謝を。
ありがとう。