【簡単なあらすじ】
ジャンル:異世界ファンタジー
通学の途中で事故に遭ってしまった主人公は、本来そこで死ぬはずではなかった。その為、有名なあの人に似た女神によって、異世界にて生き返しのチャンスを得る。直後、転移先で出逢ったのは勇者より強い”殴り聖女”という2つ名を持つ可憐な少女で────?!
【物語の始まりは】
主人公は異世界転生ものの定番、女神の部屋にいた。女神は定番の美女……ではなかったが。そこで欲しいスキルはないかと聞かれ、彼がここに来ることになった経緯が明かされていく。本来死ぬはずでなかった彼は、生き返しの機会を得て、異世界で生きていくことになる。戦うのが嫌で選んだスキルは、空間魔法。辿り着いた先で、勇者パーティからある少女が追放される場面へ出くわしたのだった。
【舞台や世界観、方向性】
プリースト:恐らく回復職のこと。
ワンゲル部とは:部によって活動の内容は異なるが、「仲間と協力して自力にこだわったアウトドア活動を行う」という部分が共通点のようである。
この物語の勇者は、崇敬によって力が増す特殊な職業である。その為、自分より目立つ殴りプリーストがパーティに居ると、足手まといになってしまうようだ。
空間魔法はレアな能力。
【主人公と登場人物について】
主人公は本来死ぬはずではなかったにも関わらず、トラックに轢かれ即死(扱い?)してしまった17歳の少年。現世では死亡扱いだが、生き直しのチャンスを得て、異世界へ転移。
転移先で逢った少女は殴り聖女の二つ名を持った可憐で心の清らかな人物であった。話しの末、一緒にパーティを組むこととなる。
【物語について】
主人公は転移先で”パーティ追放”の場面に出くわすが、それはよくある”パーティ追放”ではなかった。プリーストでありながら、致命的な欠点があった。なんと補助魔法が自分にしか、かからなかったのである。その後、二人は互いの境遇を明かし合い、パーティを組むことになる。知らない世界に送られた主人公にとってはありがたいことだったのではないだろうか?
純粋な彼女に癒されたりもするけれど、彼女の口から出る言葉は恋人レベルで聞くような言葉が多く、どう受け止めたらいいのか戸惑う主人公。(たぶん言葉通りの純粋な意味であると思われる)
二人は防具屋に主人公の防具を買いに出かけるも、お目当てのものがなくいきなり古代竜を倒しに行くことになったのだった。
ここまでの主人公は、見た目が可憐で心の清らかなサーシャに対し、まだその強さを本気で信じられない部分がいくらかあったような印象。しかし、古代竜を倒すところを目の当たりにし、その強さを実感したのではないだろうか?
【良い点(箇条書き)】
・初めのうちは、何故ワンゲル部なのだろうか? と思っていたが、彼はその冒険(旅)の中でワンゲル部で培ったものが活かされているように感じた。
・ネタとなっている人物が分かりやすく、有名人が多い印象。万民共通とまではいかないにしても(ある年齢からしか知らないと思われるため)、笑いに対しての共感は高いと思われる。
・サーシャに影響されて、変わっていく主人公が素敵である。(7話宿屋の主人との会話より)
・新しい世界に少しづつ馴染み、知り合いなども出来ていく中、主人公がホームシックになる場面がある。そういう部分を見ると、馴染んでいるのではなく馴染もうと頑張っているんだなと、感じた。知らない場所で、2度と家や元の世界に戻れないということにリアリティを持たせている。
・主人公とヒロインの二人のパーティのバランスが良いなと感じた。
【備考(補足)】16ページ目まで拝読
【見どころ】
勇者パーティから強すぎることを理由に追放されてしまったヒロイン、サーシャ。本来死ぬはずでなかったのに事故死してしまい、異世界で生き返しのチャンスを得た主人公。彼らはどちらも辛い想いをしている。だからこそ、時には励まし合い、慰め合い、助け合えるパーティなのではないだろうか?
ワンゲル部に所属していた主人公は、その知識を異世界でも生かしていく。そして、戦うことを拒否し空間魔法を手にした彼は、とても珍しい能力を持つものとして重宝されていく。異世界で新たな人間関係を築きながら。
しかし時折、元の世界へ想いを馳せる姿に切なくもなる。
元のパーティに対して未練はないとは言うものの、元は賑やかなパーティに所属していたサーシャ。彼女には、主人公の寂しさが理解できるのでないかと感じた。
旅や冒険ものというと、一期一会のイメージがあるが、この物語では出逢った人たちの絆が大事にされていると感じた。宿屋の主人や、サーシャの元居たパーティのメンバー、商人など。それも二人の人柄あってのものなのではないかと思う。切ない場面もあるが、全体的に楽しそうであり生き生きとしているような印象。読了部分はまだまだ序盤である。これからどのような人々に遭遇し、どのような冒険を続けていくのであろうか? そしてその結末はいかに?
あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。
「殴りプリ」というパワーワードで爆笑しながら追いかけていた作品。
ホラ、ゲームやったことある人は分かるよね?
後方支援職なのになぜが前線で殴りながら回復しちゃう永久機関装置、そう、それが「殴りプリ」。
しかもバフがバグってて最強が留まる所を知らない!
「サーシャ、普通のプリーストは、ひとりで〇〇〇〇〇〇〇したりしないんだよ……」
さて、期待値MAXで第一話へ足を進めると……待っていたのは女神です。
凄く……タマネギです。
もうここから読者は皆、女神テットゥーコ様の虜になります!
罪な女です。毎話毎話、テットゥーコ様成分が欲しくてジャンキーのようになります。
私はなりました。危険な小説です。
そしてどんどん出てくる魅力的なキャラクター達。
もちろんバグってます。
そして「ラブコメ」ですが、ほぼ「コメディ」です。
でもちゃんと「ラブ」してます。
でももどかしいんだよぉおおおんんん!とここでも読者を悶えさせます。
突如差し込まれる「ラブ」成分と「飯テロ」!楽しめる要素満載!
おや? こんな話をしていたら女神テットゥーコ様の部屋への扉は開かれたようです。
行ってらっしゃいませ。フフフ……。
一話目タイトルの「よくある異世界転移とよくあるパーティ追放」。確かに異世界転移はWEB小説ではテンプレと言われるほど多くはあるけど……?
あれえ、私の知ってる神様との会話じゃない。いや、この会話シーンはよく知ってるんだけど、こんな神様今まで見た事ない。いや、人としては絶対知ってるあの人なんだけど!というゲシュタルト崩壊がしょっぱなに発生。
そんな怒涛のスタートを切った主人公のジョー君は、血気盛んな男子なら選びそうな戦闘系チートは選ばず、何故だが地味な空間魔法を習得。
そして移転先で突然のパーティ追放シーンに遭遇。
それが、勇者よりも(物理的に)強いプリーストのサーシャとの出会いであった……。
サーシャの方がよくある異世界転移のチート系キャラに見えるほど、彼女は規格外の強さを誇るのですが、それを鼻にかけることもないふんわり美少女。ギャップ萌え。
この世界の事がわからないジョー君に丁寧に世界を教えてくれます。
ジョー君も元の世界の経験や知識で、この世界の人達を手助けしていきますが、love comedyというよりlive comedyかな?と思うぐらい生活に役立ちそうな知識が出てきたりも。
そして地味だと思われたジョー君の空間魔法が便利過ぎる。
もし異世界転移をする機会があったら、空間魔法を選びたい。
というか、今欲しい(散らかった部屋を見ながら)。
出て来る人達がちょっと残念だけど魅力的なドタバタコメディ、時々人生を示唆させる深い言葉も出て来るこの作品。
とにかく面白いのでお薦めです!
可愛らしいヒロインのイメージイラストに惹かれて読み始めたのですが、「殴り」という暴力的なワードに反して、女性作家様らしい、ほのぼのとした作風に癒され、休日の楽しみになりました。
タイトルの「殴り聖女ちゃん」の戦闘シーンもありますが、基本は、神様から「空間魔法」なるレア魔法スキルを貰って異世界転移した少年の『異世界新生活モノ、可愛い女の子付き♪』といった癒し風な作品です。
主人公「ジョー君」が、異世界転移早々に出会った「殴り聖女ちゃん」とパーティを組んだことが切っ掛けで、様々な人と出会い、仲良くなり、異世界生活の基盤を固めていく姿が描かれているのですが、この「ジョー君」が、人に役に立つのが好きな性格で、コツコツお料理を作ったり、「空間魔法」で人の手助けをしたりと、「愛されて納得」なキャラクターなのが好印象です。
周囲の人達も「こいつはチョロい」といった、人をナメたようなヤツは居らず、心が和みます。
「働き者の主人公」「可愛く清らかな少女(+強い)」「少し残念だけど暖かい周囲の人達」「グルメもの」こういった要素が大好きな人なら、読んでみる価値はあるかと思います。
トラックに轢かれ、気付いたら徹子〇部屋にいた?!
という冒頭の時点で笑いました。
主人公を異世界に送り込む女神様が、どう見ても黒〇徹子。
そしてその名も『慈愛と知識の女神、テトゥーコ』。
黒柳〇子やん! 完全に〇柳徹子やん!
そんな感じで卓越したギャグセンスでぶん殴ってくる本作ですが、ふとした瞬間に強烈なラブコメの波動を放ってきて、読者を悶えさせます。
自分は数回成仏しました。
なんといってもヒロインのサーシャが良い。
健気、ちょっと(?)天然、鈍感、そしてなによりもドラゴンをソロ討伐できる。
これで可愛くないはずがない。
「殴り聖女」の二つ名の通り、めちゃくちゃ強い彼女ですが、ヒロインらしい可愛さを的確に押さえているのが最高です。
テットゥーコ!