暗い部屋 窓の外の夕日 メガネ

 アルコールに溺れる日々。飲んでないとやってらんねぇ、だなんて誰が決めた。自分が決めた。家族が隠している、家族用の酒を見つけて飲み、水でかさましてバレないようにする所まで落ちた。自殺未遂の後、入院している期間が長かったせいで、以前より確かに酒に弱くなっている。

 私は本当に酒が飲みたいのか。そんなことを考えるが、百薬の長だと言い聞かせてまで飲む。酒を飲まない日はない気がする。

 酒を飲みながらおつまみを食べると、体はアルコールの分解に集中してしまうから、おつまみは全部蓄えになってしまう。

 太るのが嫌で勉強した。アルコールには筋肉を分解する働きがあることも知っている。

つまり、おつまみを食べながら酒を飲むと、筋肉は分解され、肝臓には負担がかかり、脂肪が蓄えられる。良いことなんて1つもない。

 暗い部屋で絵を描きながら、やはり片手に酒を飲む。起きている時間、ずっと飲んでいる気がする。そうしなくちゃ絵も描けないし、嫌なことばかり頭に浮かんで何もできなくなってしまう。何もできない! 寝よう! と思っても、眠剤を酒で流し込まないと寝れもしない。

 自殺未遂をする前は、手が震えたり、悪寒がしたり、そんな感じで離脱症状なんかもあったけれど、流石に、約4ヶ月、酒から離れていたら、離脱症状は出なくなっていた。

 高校も辞めて、後遺症で働けない体になって、ただただ引きこもりのニートで、穀潰しで、毎日希死念慮に襲われて、自分の存在意義が分からなくて、死にたくて死にたくて。

 何度も何度も死のうとしているが、死ねない。自殺未遂の回数を重ねるごとに、それに踏み切る恐怖も薄れてきて。

 いつ死んでも可笑しくないなぁ、早く死にたいなぁ、なんて思いながら、絵を描くのは止めにして、ベッドに横になる。

 横になったは良いものの、眠りにつくことはできない。時間は午後17時。遮光カーテンの隙間から漏れる窓の外の夕日。

 寝るにはまだ早いなぁ、お腹空いた……。何も食べずに人生全部クリアできたらいいのに。クリアってかデリートできればいいのに。

 ……目を瞑って音楽を流しながら横になっていること午後19時、親に「夕食ができたよ」と起こされる。夕食は、とんかつだった。

 私は、夕食を自分の部屋に運び、1人で食事を取る。少しの抵抗として、とんかつの衣を綺麗に剥がして肉だけ食べた。

 剥がした衣はビニール袋に捨てた。下膳することもダルくて、部屋の外に食器を出す。また、絵を描こうかな。

 夜になると私はコンタクトを外してメガネに変える。元々、目は悪かったのだが、今思えば、自分は欠陥ばかりだ。

 死にたい。

 死にたい。

 消えたい。

 苦しい。

そんな感情ばかりが私の中に渦巻いている。

 もう、死のうとしても死ねる気はしない。死ぬ資格もないってことで神が殺してくれなかったんじゃない? って思う。本当に。死んでも可笑しくない自殺未遂が何度もあったのに。

 神が本当にいるのならば、私を生かしているのならば、もう少しマシな人生を歩ませてくれよ。

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