第3話《恋の幕開け?》
カンッカンッ
「これより、閻魔裁判を開始する!」
「やっぱり・・・おいクソ閻魔!」
「今クソって言ったな!クソって言ったほうがクソなんだぞ!クソが!」
「相変わらずだな・・・俺はお前に間違えて地獄送りにされちまったんだよ!」
「え?・・・」
「は?忘れてるとか言わないよな?」
「え〜っと、あ!思い出したわ!」
俺の中で閻魔のイメージがまた下がったのだった。
「お前、いい加減にしろよ。」
「すまんすまんw」
どつきてぇ
「はぁ、さっさと天国に戻してくれよ。」
「無理だよ?」
「は?」
「一度地獄行きが決まったら、ここでは天国に行けないよ?」
「マジ・・・かよ・・・」
「大丈夫、大丈夫!地獄の王様に聞けばわかるっしょ!」
「地獄の王様?」
「うん。確か名前は〜、ベルゼブブ!ベルゼブブだ!」
「ベルゼブブか。そいつに会えば、天国に行けるかもしれないんだな!」
「そうさ、そいつ堕天使だもん」
「堕天使?」
「堕天使は、地獄に落ちた天使の事さ」
「そうなのか、他に知ってるやつとか居ないのか?ベルゼブブ以外に。」
「多分居るよ、ベルゼブブ以外にも。でも、堕天使しか知らないと思うよ?」
「はぁ・・・」
「どうした?具合でも悪いか?」
「チゲぇよ!てめぇに地獄送りにされてから散々なんだよ!軍隊に配属されるわ戦車に踏み潰されるわ!あそこに戻りたくねぇんだよ!あぁ、あと一つ聞きたいんだけどさ?」
「なんだ?」
「なんで地獄って女ばっかなの?」
「あぁ、最近神様がそう決めたんだ。地獄で勝手に繁殖されたら困るし。特に元々地獄にいる悪魔。」
「うん?元々地獄に居る悪魔もいるのか?」
「うん居るね、羽が生えてたり角やら猫耳やら付いてたら現住悪魔だね。そいつら、元々強力な魔力やら能力やら持ってるから危ないんだよ。」
「へぇ・・・」
アイニは猫耳だから現住悪魔なのか。
「さぁ、戻った戻った!」
ポチッ
「うわーーーーーー!」
「ハイ次ね!」
という訳で地獄に戻ってきた。すると目の前にアイニが居た。
「そろそろ死ぬと思ってたけど、ほんとに死んだんだ!w」
バチンッ
私はクソ猫の右頬にビンタを食らわす
「いったー!何するの?!」
「お前のおかげで本物の地獄を見れたわ!」
「あ、ありがとう・・・」
バチンッ
私は目の前のゴミの左頬にビンタを食らわす。
「だからナンデ・・・ヒック・・・うぅ」
アイニの目が潤んでくる
「あ、ヤッベ」
「うわーーーーん!ひどいよーーー!」
「ごめんって!やりすぎたよ!」
「うっそでーーすw」
ゴシャアッ
私は、ついに堪忍袋の緒が切れました。あのきれいな小顔に、右ストレートかましてしまいました。
「くっ・・・やるわね。流石、私の親友!」
予想だにしない答えが返ってきて、俺は心配して言いました。
「お前、・・・頭大丈夫か?」
そんなこんなありながら俺は、アイニに
「今日はもう遅いから、泊まっていいよ!」
とか言われて家に連れてこられて、手料理を振る舞われている。
「できたよ〜」
「おぅ、ありがとう。」
「今日の料理は地獄風、チーズハンバーグだよ!」
じ、地獄風・・・
「お、おう。」
まぁ、でも。俺チーズハンバーグ好きだしいいか・・・え?
「はいどうぞ!沢山食べていいよ!」
「こ、これは・・・」
目の前に有ったのは、完全なダークマターでした。
「これは・・・一体・・・」
「え?ハンバーグだよ?」
私には見える。このダークマターに顔があるのがはっきり見える。そいつを見ていると、なにか喋ってるように見える。
「アッハッハッハッ、オレヲクエ、オレヲクッテシネ!」
いや、こいつ完全に喋っとる。どうしよう、こんな美少女お約束みたいな展開と料理・・・どうすればこの状況を生き残れる?そうだ!
「お、おいアイニ?このダークマッ・・・ハンバーグ食べてみろよ?」
「え?ハンバーグを?」
「そうそう!レディーファーストだろ?」
「う〜ん、分かった!」
よし!半ば暴論気味たが、なんとか成功した!
パクッモグモグ
あの野郎、よく躊躇なく食えるな。
「うん!美味しい!」
「は?!じゃなくて、ハヘ〜ソウナノ?」
あれが美味い?ふざけるな!食べたらまた閻魔裁判だぞ!
「次、タミルね!」
「あ!ちょ!」
私はフォークに突き刺したダークマターを口にねじ込まれる。すると、
口の中いっぱいに肉のジューシーさと、チーズのクリーミーさが広がり、見た目からは想像できない美味さが私を満たした。
「う、美味すぎる!」
私はそのダークマターを口に絶え間なく運ぶ。あっという間に完食できた。
「おかわりあるか?」
「おお!作ったげる作ったげる!待ってて待ってて!」
俺はお腹いっぱいになるまで、ハンバーグを食べた。
「ほぇー食った食った。」
「ンフフ♡」
「ていうかお前、何も食べてないじゃないか。」
「いいからいいから。ほら、寝室はこっちだよ〜」
「お!ありがとう。」
俺は家の寝室へと連れられ、アイニは部屋のドアを開け言う。
「ここが寝室だよ!」
「ありがとう。俺もう寝るけどいいか?」
「うん。いいよ。」
「ありがとう」
俺はベッドに入り込み目をつむる。
色々あるけど、あいつ結構頼りになる所あるし。初対面の俺にも優しく接してくれたし、今だって家に泊めてもらってるから少し感謝した方がいいかもな。明日、家事かなんか手伝ってやろうかな?
そんな事を考えていると。
ゴソッ
「ん?」
ベッドの中になにか入ってくる。俺はそっちに寝返りをうつと。
「あ・・・ばれ・・・ちゃった♡」
・・・・・・え?は?
俺はアイニをまじまじと見つめる。すると顔を赤らめ、目をそらしながらアイニは言う。
「ちょっと・・・魔が差して・・・惚れ薬を・・・ご飯に混ぜて♡・・・」
は?惚れ薬?そんな物あんの?!ていうかなんで俺の布団に?まさか俺に好意が?!・・・いや待てよ、俺は今、女の姿だろ?なんであいつが好きになるんだ?
「私のこと・・・好きになって・・・くれ・・・ないから・・・・・・ベッド♡・・・」
いやいやいや、普通好きだからって襲うか?!・・・あ、そういえば。
━数分前の出来事━
「お、おいアイニ?このダークマッ・・・ハンバーグ食べてみろよ?」
「え?ハンバーグを?」
「そうそう!レディーファーストだろ?」
「う〜ん、分かった!」
図星だった〜!ていうか分かってながら食うあいつおかしいだろ!ヤバい、とてもヤバい。・・・いや、待てよ。アイニは俺のことが好きで、俺もそれは嬉しいっちゃ嬉しい。・・・これは、何と言うか、その・・・
「ねぇ・・・聞いてる?」
「あぁ、うん!」
「私の事・・・・・・・・好き♡?」
ドストレーーート!いや待て俺!なんで好きなのかを聞かねばならんだろ!男として!(謎)
「いや、でも・・・なんで俺の事が・・・好きなんだ?おれ、女だぞ?」
「バレバレだよ・・・男って事♡」
俺の心臓がログアウトしました。
ヤバい、心臓のバクバクがヤバい!
「なんで、おれが男ってこと」
「うるさい♡」
チューッ
私の脳みそもログアウトしました。
美少女のキス!いや違う。美少女の甘くて柔らかくて尊い唇の接触、すなわちキス!
※大事な事なので訂正した。
嘘だろ?しかもコイツ!
ガシッ
チューーーーーーッ
がっついて離れねぇ!どうしよう。どうすればいいんだ?ていうかこれ、心臓もつか?破裂しそう。体も密着状態だし。手、腰に回されてるし。・・・エグいぞ!(語彙力)・・・・・・・・・・・・・・ん?こいつ寝てるくね?
その夜、俺は一睡もできませんでした。
━次の日の朝━
「ん?私、何して・・・ヒィャッ!」
アイニは飛び上がる
「やっと・・・起き・・・たか・・・」
ガクッ
俺は力尽きて、寝てしまった。一方アイニはというと、
「・・・き、記憶消し薬飲ませよう!そうしよう!」
その後、記憶消し薬を飲まされたタミルは惚れ薬を飲まされてからの記憶が丁度良く消えて、一方アイニはその後、お菓子と間違えて記憶消し薬を飲んでしまい、アイニ自身も惚れ薬を飲まされてからの記憶が消えてしまった!
「あれ?私、惚れ薬飲ませたっけ?・・・あ、この薬、猫用のやつだ。私のんじゃ駄目じゃんこれw飲まなくてよかった〜。」
※バカ
地獄なんてクソ食らえ! ドッグレモン @dpmgmgmpdgwgmgpdgtgw
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