第2話《悪魔鑑定所》

 俺はアイニに連れられ、地獄にある悪魔鑑定所ってとこに行かされた。途中、沢山の人・・・いや、悪魔と会ったが、全員が女性だった。なんで女ばっかりなんだろうな?ていうか、その鑑定所、何鑑定するんだ?

「着いたよ!ここが、悪魔鑑定所だ!」

「すまん、今更なんだが」

「なんだい?」

「悪魔鑑定所って何する所?」

「あぁ!タミルは現世の人だから知らないんだったね!悪魔鑑定所は、自分の能力や特技とかを鑑定する場所だよ!」

「あぁ、なるほど」

 あれか、異世界転生もので見るあれか。もしかして俺、めっちゃスゴイ潜在能力あったりして。

 二人は建物の中に入って行く

ガチャ

「お〜い!アリエス〜!」

「Zzz」

「アリエス!起きて!」

「んぁ?あぁ、アイニじゃないか。おはよう。」

「もう昼だよ、今日はねお客さん呼んでるんだ!」

「お客さん?あぁ、あの人かい?」

「そうだよ!」

 頭に角生えてるし、羊?何でもありだな。ていうかやっぱり女性・・・

「じゃあ、タミルさん。こっちに来て下さい、鑑定しますので」

「はい、わかりまし・・・え?なんで俺の名前知ってるの?怖ッ!」

「いえいえ、腐っても鑑定士なので、名前ぐらい遠くに居てもわかりますよ」

 そういうもんなのか?

「そうなんですか。スゴイですね」

「いえいえ、さぁ、コチラに」

「あぁ、すいません」

 俺は、アリエスの前の椅子に座る

「では、鑑定しますね」

「お願いします」

「これは!」

 おぉ?!これはもしや最強の能力とか見つかったりしちゃッ

「射撃スキルだけ飛び抜けていています!それ以外は平均的ですね」

 ・・・な〜んかぱっとしない。まぁ、銃が上手いとか、なんかカッコいいし別にいいか!

「そうですか、分かりました。ありがとうございます!」

「どういたしまして。」

「あ、ところでアイニはどんな結果だったの?鑑定」

「私はね〜、分かんない!」

「あれ?アイニは鑑定してないのか?」

「アイニは現在、知恵の能力はそこまでですが、それ以外は全て平均以上です。」

 完全にアホの子だな、アイニ。自分のステータス位覚えとけよ。・・・まぁ、いいか。これからの地獄生活頑張ってみるか!

━数日後━

 拝啓、お父様とお母様。今私は、一面の銀世界に居ます。周りを見渡すと、白い雪と黒い硝煙。自然豊かな林と殺意マシマシの戦車師団があります。凍えるような寒さですが、私の怒りは煮えたぎっています。あのクソ猫をしばきたいです。あれは数日前の鑑定所でのこと。

「ねぇ!私そのスキルにピッタリな仕事知ってるよ!」

「そうなのか?」

「うん!こっち来て!」

「どんな仕事だ?」

「大丈夫!私もやってる仕事だから!」

 とか言われて軍学校に連れて行かれて、それからあっという間だ。キツイ訓練に勉強、何が大丈夫!だよ。え?逃げればいいじゃんって?俺だってそう思ったさ、同調圧力って知ってる?ていうか、この軍服完全にドイツ軍のやつなんだよな・・・。

 でも一つだけ、いいことを聞いた。なんと!この世界で死んでも蘇るとのことではないか!ステータスは初期に戻されて、最初に落ちた場所にまた落ちてくるんだと。

 それと、あのクソ猫ことアイニは機甲師団の戦車長らしい。一方私は狙撃兵に抜擢された。・・・まぁ、実質死なないのと一緒だし、給料もたんまり入るし、中々いい仕事なのかも。でも、流石に死なないと言えど、人を撃つのはな・・・

 そう思いながら俺は軍学校を卒業し、連邦領内の前線基地に配属された。そこは雪と林に囲まれていて、クソ寒い、マジで寒い。

 けど、物資補給はしっかり出来てるようで、温かいココアなんかも飲めたりする。・・・割と美味。

 機甲師団もこの前線基地に居るようで、パンターやティーガーやらも居る。結構カッコいい。その前線基地で2日程過ごしていると。俺達は近くの町を制圧する為に、機甲師団と共に遠征に行かされることとなった。

 俺達は白い軍服を身にまとい、雪道を戦車と共に前進する。クソ寒いが、結構カッコいい。そんな呑気なことを思っていると、

 ドカーンッ

 前方のパンター戦車が撃破されてしまった。兵士が言う。

「3時の方向!敵戦車部隊発見!」

 俺はそっちを見ると、数百メートル先の背の高い草を踏み潰し、次々と戦車が姿を現す。

「待ち伏せか、クソッ」

 俺は近くの草に身を隠し、双眼鏡を覗き敵の戦力を確認する。

「T-34十二両?!多すぎる!俺たちの戦力は戦車七両だぞ!さっき一両撃破されちまったし。しかも相手は砲塔からして全部85mm砲だ、その後ろに砲兵隊もいやがる。クソッ!ていうかこれ、完全に独ソ戦じゃねぇか!」

 近くに砲弾が無数に飛んでくる。側面装甲の薄いパンターとⅣ号戦車は瞬く間に撃破され、残るはティーガー一両だけとなってしまった。

 敵戦車の上に乗っていた敵歩兵が戦車から降り、突撃してくる。

「ypaaaaaaaaaa!」

 俺はライフルを構え、敵歩兵を殺していく。

 バンッカチッ

「クソッ敵が多すぎる!」

 ティーガーが敵戦車に向かい昼飯を取り、砲撃する。

 バーンッピュル〜ドカーン

 ティーガーが敵戦車の砲弾を弾きながら撃破していく。

「すげぇ」

 しかし、後ろを見ると味方はもう五人程しかいない。敵の歩兵はもう百メートル程に迫ってきている。

「クソッ」

 俺は立ち上がり後ろに逃げようとしたが、足に敵の弾を食らってしまい、激痛が走る。

「グァッ、クソッ」

 私はその場に倒れ、雪に血がつく。敵歩兵は私を無視し、残っていた味方を撃つ。それを見ていた俺は、つぶやく。

「エグすぎる・・・」

 ガガガガガガッ

 後ろを見ると敵戦車がこっちに迫ってきた。

「なんで、機銃掃射しないんだ?・・・マズイッ!」

 俺は急いで立ち上がるが、足に激痛が走りコケてしまう。

 ガガガガガガッ

「ヤバい、ヤバい!ヤバい!ヤバい!」

 俺はコケつつも、急いで立ち上がり走ろうとした、しかし遂に・・・

 ガガガガガガッ

「ギャーーーーー!」

 俺は、戦車に踏み潰されて死んでしまったのである!そして、目が覚めると・・・

「はっ!ここは?天ごッ・・・いや、見覚えあるぞ。ここは!あのクソ閻まッ」

 カンッカンッ

「これより、閻魔裁判を開始する!」


 物語はまだまだ続く・・・

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