老騎士に託されたもの、愛する者に託されたもの

長く戦いに身を置いていた騎士ヴォルフは、終戦の間際に戦友を喪い、その今わの際、婚約者への手紙を託される。
これを最後の旅と心得、傷を負いながらもたどり着いた先で待っていたもの。そして友に託されたものの真意とは……

短くまとめられたシナリオながらも老騎士の心情を中心として綿密に描かれた表現力は、長編叙事詩のクライマックスをそのまま切り取ってきたかのようでした。

満足度と手軽さを併せ持つ珠玉の短編です。