ただのケンカが、尊いだなんて――。

 夫婦喧嘩をして家を飛び出してきた主人公は、優しい老婆に出会う。
 主人公は老婆に煮物をご馳走になり、話も聞いてもらった。
 共働きの夫がいつもテレビやスマホばかり見て、相手にしてくれない。
 それに、家事はいつも全て主人公がやっている。
 スイッチ一つでできることさえ、やってくれない。
 そんな喧嘩の話に、老婆はポツリとこぼす。
 
 「羨ましいわね」
 
 夫婦喧嘩が羨ましい? 
 その言葉には、老婆の悲しい過去と寂しい現在が、同居していた。

 是非、御一読下さい。