第3話 陸上自衛軍の決定

「朝鮮半島情勢か」

「はい、韓国の漢大統領は融和ムードを出しており韓国軍も通常行動ですが我が国及び米国の情報衛星によると明らかに北朝鮮軍の行動が通常行動とは違います」

「いつもの軍事行動とも違うと」

「はい、統合情報本部では最悪の場合戦争再開もあると見ています」

「そこまでか」


そう陸上幕僚長が呟いた後、そこは静寂に包まれた。


「有事の場合は我々も出動の可能性があるでしょうね」

「ええ、邦人救出、もしかしたら存立危機事態が発せられる可能性もあり得ます」

「第一ヘリコプター団の一部と第十三旅団に対馬駐屯地への移動を命じますか」

「そうしましょう、そしてこの事実はすぐに大臣と総理へも伝えるように」


「了解」




第十三旅団 海田市駐屯地


「対馬駐屯地へ移動、ですか」

「ああ、総隊からではなく陸幕から直接命令で来ている」

「了解しました」

「第一ヘリコプター団の一部もだそうだ」

「そうですか」




「第四十六普通科連隊及び第十七普通科連隊に対馬駐屯地に移動命令が発せられた、すぐさま準備行動を開始せよ」



三日後、デフコン4が発令されたことを受け中央即応連隊ちゅうそくれんに対して動員令が下った。 

またデフコン4になったことを受け各部隊も動員準備を開始した。

だが近隣諸国の反発を考え、日本政府は連隊以上の部隊を動かせないでいた。

だがアメリカ軍は次々と日本へ軍を送り込んでおり、半島有事はすぐそこに迫っていると考えられていた。

また海上自衛軍は太平洋上で訓練中であった第五護衛隊群空母機動部隊をすぐさま横須賀に戻し、少しの休息と整備、補給終了後呉へ向かわせていた。



対馬駐屯地

「ヘリコプター部隊と両連隊は到着、デフコン4になった事によって中即連も対馬を経由して邦人保護のため韓国入りするか」

「天谷連隊長、対馬駐屯地司令がお越しです」

「通してくれ」

「はい」

「対馬警備隊長兼対馬駐屯地司令の澤井です」

「第十七普通科連隊長の天谷です、両連隊の受け入れを感謝いたします」

「いえいえ、半島有事が近い時にこの増援はありがたいです」

「そう言っていただけると嬉しいですな、邦人受け入れのため尽力しましょう」

「ええ」

「連隊長」

「どうした」

連絡役の下士官が司令部用天幕に入ってくる。

「防衛省はデフコン3を発令、全国の三自衛軍に対し準備態勢に入るように通告しました」

「・・・そうか」

「また、中即連は一度こちらに来ることを中止するそうです」

「なぜだ」

「恐らく中国方面で事が有るのではないかと」

「中国が北と同時に動く可能性があるということか」

「そうです」

これは困ったことになった、そう呟いた対馬警備隊長の言葉にその場の全員が頷いた。















次話ついに開戦です。今の所毎月投稿を守れてます。

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