風の音は、芸術の萌芽を孕んでいるのです。

純粋に面白い。

形式を借りて、でもそこにとどまらず、
あらたな領域へと変換している。
これぞパロディの真骨頂なのだと思います。

実に洗練されている。
緊張感とともに、一種の緩さが連動していて、
物語が二重で進んでいるかのような錯覚を得ます。

それは、拝借している背後にある小説の重み故、
というのもありますが、
それを巧みに操作している(?)作者様の実力故だと思います。
ぬあぁ、なるほどなあ、と感心しました。

ネット小説という世界には馴染み難いかもですが、
試みとしてはとても面白いし、
小説そのものも実に面白いです。

真剣な試み、実験的な創作が、
もっともっと増えればいいなと思いました。