冷夏侵略 (ペンギンがUFOでやってくる話)

 目の無いペンギンがUFOに乗ってやってくる。涼やかな雲の向こうから、仲間を引き連れやってくる。機翼を広げて滑空し、勢いよく道路に突き刺さる。


 くちばしが高速回転する音。身近に迫ってきている。冷蔵庫の中にいる。かき氷屋にいる。プレゼントBOXを持って、一人ずつ詰め込んでいくんだ。


 冷えピタを貼れば味方だと思われるらしい。薬局へいそげ。


 先生、僕はペンギンとして生きてゆきます。


 実験室のにおいがするぐちゃぐちゃなチーズをもらいました。魚食べるんじゃないんだね。口からチーズがはみ出ているぞ。


 ああ、ペンギンの腹が裂ける。裂けちゃうよ。ひゃあ!マントみたいに広がる皮の内側を僕は見てしまった。ぬるくなった冷えピタが、ぽとり。地面に落ちた。そいつに両肩を掴まれたが最後。



 冷夏侵略。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Fantasic怪文書 メメ宮 景斗 @keito_mememiya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ