切れ味鋭い言葉、濃厚な雰囲気。緻密な描写と伏線。正に、沼にハマる感覚!

読みやすい頭脳派ファンタジー? 否! 侮る勿れ! それだけじゃない、魅力の詰まった作品です!
まず、1ページ。読んでみてください。惹き込まれる描写と設定に、もうページを捲る手が止まらないでしょう。

登場人物は、個性派揃い。しかし、各々にしっかりとバックグラウンドがあり、これが何とも泣ける。その背景があってこそのキャラの性格、行動の動機、感情の変化が描かれていて、そのキャラクター達が、入れ替わり立ち替わり、主人公主軸の物語に絡んでくる一連の流れは、思わず拍手を送りたくなるほど緻密な設計です。そして、それを支えるのは、ぽんず様の至高の言葉選びと情景・心理描写です。私は特にぽんず様の心理描写が大好きで……。この性格ならばこう考える、この行動をする、こんな気持ちを感じる。と、いうように綴られる言葉は、心にぐっとくるものがあります。きっと、普段からよく人のことを見て、思いやれる作者様なのだな、と感じます。主人公はめちゃめちゃにかっこいいですし、ヒロインは応援したくなるキャラですし、本当に、どんな方が手に取っても、一人は推しができると思います!笑

そして、物語の主題である、頭脳戦バトルは、読み手の皆さんを飽きさせはしないでしょう。次々と変わる展開と、手に汗握るバトルシーン、張り巡らされた伏線。読み応え抜群です。ダークな世界観と近未来的設定が相まって、感情移入しやすい上に、するすると読み進めてしまいます。時折挟まれる切ないシーンは、読みながら勝手に涙が溢れ出てくるのでハンカチのご準備を。

ぜひ、より多くの人に、この物語の世界観に呑み込まれていただきたい。

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