アリスな私にキスをしないで

作者 飯田太朗

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★★★ Excellent!!!

──アリス。

この名前を、この符号を聞いて思い付くのは不思議の国のアリスである筈だ。
しかしこれはただの要素、ファクターの1つでしかありません。
芯にあるのは乙女なら、恋をした事がある人なら一度は抱えるであろう感情です。

ただの不思議な恋物語ではなく、学問としての裏付けがされた不思議の国の君が仕掛ける恋物語。

決して甘さだけではない、ほろ苦さを感じられる魅惑の恋物語をどうか貴方にも。

★★★ Excellent!!!

憧れの人と付き合えて、ついフワフワと浮わついてしまうくすぐったい気持ち。
好きな人が可愛い女の子にアタックされているのを見て、焦燥感に似た不安定な落ち着かない気持ち。
本当に私のこと好きなの?とちょっと試したくなるイジワルな気持ち。

女の子なら誰でも一度は経験したことがある、恋の甘酸っぱさも、苦い思いも、本作品には丁寧に書いてあります。

恋に翻弄される文学部の「私」ちゃんは、ある日心理学の講座で「アリス顔実験」を知り、彼氏である名木橋先生にその実験を元にした悪戯をしかけます。

「私のことが好きすぎて、私のことを見たんですね」

この一言が言いたくて。

心理学の実験をトリックにして先生を翻弄する私ちゃん。そして、心理学の教授である名木橋先生の鮮やかな「お返し」が見事で、思わず恥ずかしくなって近くにあったクッションを抱き締めながら読んでしまいました(笑)

心理学を使ったトリックにわぁ!とびっくりする気持ちと、胸をドキドキさせる甘酸っぱい恋心。どちらも満足に楽しみたい方は、ぜひこの作品を読んでみてください。
多分、甘い恋愛映画を一本見たくらいドキドキしてしまいますよ♪

★★★ Excellent!!!

 心理学が得意な作者ならではのアイデアが盛り込まれた、秀逸なラブストーリー。筆者の書く「名木橋シリーズ」の”乱歩のまなざし”の「私」が主人公ですが、この作品のみの独立短編として読む事が可能な内容になっていました。

 「私」の一途なところ。とてもかわいい。
 「名木橋」の真摯なところ。とてもかっこいい。

 甘いシーン、ほろ苦いシーン、甘いシーン、ほろ苦いシーンが交互に。
 コーヒーがシーンに出て来るせいか、苦味は、コーヒーの味がする。

 冷や冷やしながらも、甘いシーンにドキドキ。
 
 「私」のドキドキが感染したのかな!?
 みたいな感じで、甘いシーンに散々ぶん殴られます。

 作者が目の前にいたら、全力投球でパイを顔面にぶつけるかもしれない。
 照れてる私の顔を見ないで と。

★★★ Excellent!!!

この作品の素晴らしいところは、とある認知心理学のタームが無理なく作品に落とし込まれているというだけでなく、それが作品を構成するためのピースとして必要不可欠のモノとなっているところ。どういった点において不可欠であるのかは……ウ~ン、残念ながらネタバレになってしまうので書けませんっ!

学術、ミステリといって誤解しないでほしいのですが、全然堅苦しいものではありません! むしろ甘さで蕩けそうになるかも⁉ なにはともあれ、是非一度ご賞味あれ♪