ローマ帝国時代の神学・哲学者アウグスティヌスは著書「告白」の中で、こんな問答を紹介している。
”「神は世界創造以前になにをされていたのですか?」という問いに、ある人はこのように答えた。
「そういう質問をする人間のために、地獄をつくっておられたのサ。。」”
うん言いそう、あの神ならやりそう!な秀逸シニカルな逸話なのだが、これはアウグスティヌス自身の考えではなく、
”わたしはそのような答えを与えようとは思わない”に続く数行で、アウグスティヌスは、こういう不誠実な言葉を返すよりも、知らないものは知らないと答える真摯な態度を重んじると共に、
知らないことを知りたい、すべてのことを知りたいという欲求を賞賛している。
※すみません、ここまでは作品と関係ないレビュアーの連想ですm(_ _)m
『ダビデに恋して 2』、オープニングから、聖書の有名な人物の紹介が続きます。
・ノア=箱舟
・アブラハム=7人の子(そうなの??)
・モーセ=海パッカーン
でしょ知ってるよというあなた、それはそうなんだが、
彼らがどのようないきさつで造船や契約やパッカーンに到り、その前後でどんな人生をおくったのか、知れば「なるほど」よりは「そうなのぉ??」、
やばいネ申やばい、次も知りたい!と思うこと請け合いです。
聖書の記述を丁寧に辿りつつ、作者様ご自身の解釈や、他の資料からの情報も引用され、わかりやすく読み物として楽しいし、
相当の情熱とエネルギーを投じて制作されているのだろうなと想像され、頭が下がります。m(_ _)m
近代文学に慣れ親しんでいる私たちにとって、世界最古の書物である聖書は古臭い感じがして敬遠しがち。(クリスチャンにとっては今でも文字通りバイブルですが、それ以外の人は目を通す機会の方が稀かも)
本作は、そんな聖書に記していることがらを今風の感覚及び解説を交えて、面白おかしく紹介しています。キリスト教と言っても、実際にはたくさんの宗派がある訳ですが、その多くに配慮した作中の言い回しも魅力のひとつ。作者の性格を写しているようで好感が持てます。
執筆はまだ続いていますが、今後も安心して読めると感じます。新約、旧約、ギリシャ語、には多くの翻訳種類があり日本人にすればとても混乱しがち。(ちょっとした語句でも、ひとつ変えるだけで意味が大きく違ってしまう)
そこを読者に疑問を抱かせずに、最後まで連載してほしいものだな、と感じます。とても面白い読み物でした。みなさんもぜひ、覗いてみて下さい。
ノア、アブラハム、モーセ……。誰もが一度は耳にしたことのある名前ですが、彼らがどんな活躍をしたか、意外と知らないものです。本作ではこういった聖書の登場人物の生涯が、詳しくしかもユーモアたっぷりに語られています。
親しみやすい口調にはお笑い要素がふんだんに盛り込まれており、とっつきにくいと思われがちな聖書の世界がとても分かりやすく感じられます。筆者の知識の深さ、そしてそれを伝えてくれる工夫を凝らした文章は読む者を飽きさせません。今度は誰を取り上げてくれるのか楽しみになります。
聖書を知っている人でも知らない人でもウェルカムな懐の広さが魅力的。ぜひこの聖書の海に飛び込んでみてはいかがでしょうか。笑ってためになるエッセイです。
今さら言うまでもありませんが、聖書は世界で一番発行されている本。
海外を知り、海外とコミュニケーションをとる上で、聖書の内容を理解しておくことは決して無駄にはなりません。
そんな聖書の内容を面白おかしくわかりやすく説明してくれる、とても親切な作品がこちら。
既に200話に渡って執筆されてきた聖書紹介作品『ダビデに恋して』が、装い新たに、よりわかりやすく面白く再スタートです。
ノア、モーセ、アブラハム、そしてイエス•キリスト…って、超有名人ばかりじゃないですか。
既に彼らの物語をご存知の方も多いと思いますが、この『ダビデに恋して 2』で、もう一度しっかり復習してみませんか。
教養が身に付くだけでなく、クスリと笑える面白エッセイとしても最適です!