初見には最初の貞操帯云々などのお馬鹿な展開はハードルが高いです。
しかし、途中まで読み進むと無理ゲーとまで思うほどの困難な状況に立ち向かう主人公の行動に胸を熱くし、次第に明らかにされていく各登場人物達の隠された愛情の物語の数々に涙するようになりました。
そうなってくると最初の下りは必要だったのかという疑問が生まれてきますが、多分必要なんだと思います。
主人公の意図とそれを周りから見た感想が違っていて突拍子も無い行動に見えてしまう等といった互いの認識のズレはコメディの定番な手法ともいえます。
それを行うことで主人公の滑稽ともとれる内面を散見させ、読者と聖人的な扱いを受けてしまう主人公との乖離を押さえているんじゃ無いかと思います。
それが必要だと思った根拠としては、他作品の名前を出して申し訳ないのですが、
某「幼○戦記」はwebの原作では隠れオタクな主人公の良かれと思ってやった善意からの行動が、ほぼ風評被害が原因で廻りから見ると恐怖に写ってしまう「すれ違いコント」のようなコメディが意図して全面に押し出されていました。
しかし、アニメ版では主人公のお茶目な内面が排され、視聴者の視点がモブキャラとなり主軸をストーリーに変更したことで個人的にはひどくつまらない物になったと感じたことに依ります。
つまり、「コレ必要なのか?」と思うような要素も実際に排してみると全体的なバランスが崩れてしまうこともあるので多分必要なんじゃ無いかなぁと思います。
始め、作品の『貞操逆転世界観童貞辺境領主騎士』と言うタイトルと1話の内容で男女比が凄い中世ヨーロッパ辺りの世界観に転生した主人公が「ハーレムつくって面白おかしく好きな様に生きていくゾッ!」みたいな良くある貞操逆転系の作品かな?と思いつつ読み続けると、「予想していたのとは何か違うけど、面白いぞコレ。」となる作品でした。
ネタバレになりそうなので何処がとは言いませんが、自分が予想してた話の構成や流れとは違い「コレ貞操逆転設定居る?無くても十分なのでは?」と感じる所があったのですが、読んでいると貞操逆転世界であるが故の男性有利な要素もちゃんと仕事していて、「この作品には貞操逆転設定は必要」と思えるし、ちゃんとタイトル通りの作品だと感じれる作品です。