第80話 終わりと始まり

 俺は冒険者達を待った。

 骨折した腕が物凄く痛い。


「待たせたな」


 ジュエルスターさんを先頭に冒険者が到着した。


「骨折を治せる人いませんか」

「おう、それなら俺が」


 格闘家の冒険者が名乗り出た。


「痛いぞ。歯を食いしばれ」


 腕が真っ直ぐに伸ばされ固定される。


「うがぁ」

「よく頑張ったな」


 俺は勢いよくポーションを左手で飲んだ。

 痛みが和らぐ。

 ほっと胸をなでおろした。

 まあ、骨折ぐらいでは死なないが。


 俺を治療しているその間に冒険者達は頭目のツリーハウスを漁っていた。

 俺と同年代の女の子が降ろされてきた。

 まさかあの頭目はロリコンか。


「なんじゃ、その目は。不敬罪で縛り首にするぞ」


 なんだか偉そうだ。


「ええとどちら様で」

「ティア王女じゃ。誰ぞ早く飲み物と食事を持て」


 冒険者が王女の世話をする。

 王女様を捕らえていたのか。

 どうするつもりだったのだろう。



「お主の活躍をツリーハウスから眺めておった。あっぱれな戦いよう、褒めてつかわす」

「それほどでもないです」

「わらわを捕らえて、第二王子の権力を高める為の方策を練っていたらしいが、泡と消えた。愉快じゃ。褒美は何が良い」


 こんな事をしている暇はない。


「そうだ、証拠は? 俺を嵌めた奴らの証拠は?」

「心配するな。あったぞ。それにこんな物もな」


 ジュエルスターが羊皮紙を見せる。

 見ると糞親父デプス・バッファの密約書だった。

 印章も押されている。


「ふはは、愉快じゃのう。これで第二王子派の手駒が一枚減る」

「バッファ家は取りつぶされるのですか?」

「いや、こちらに忠誠心をもった人間を立てる。今のバッファ伯爵は修道院に隠居かの」


 俺には関係ない事だ。


「褒美は最高のポーションを下さい」


 なんとしてもマリーだけは助けたい。


「ほう、善処しよう」


 証拠も手に入れたし後は裁判に出るだけだ。


「急ぎますので失礼します」

「忙しないのう。仕方ない行くが良い」


 ライオンに乗り街道に出て、車を作って飛ぶように走しらせた。


 裁判の場所にやってきた。


「今頃来ても、もう遅い。裁判はもうほとんど終わっている。後は判決だけだ」


 あの商人リンジムがそう言ってふてぶてしく笑った。


「リンジムを盗賊と結託していた罪で告訴します。ここに証拠の密約書があります」

「小僧どこからそれを」


「裁判長、新たな証拠が出て来ました。これは審理を延長しませんと」

「仕方ないですな。新たな証拠に基づいて捜査し直す事とする。閉廷」


 リンジムはうなだれて声も出さない。

 俺は急いでマリーのいる家に帰った。

 ちょうどクランマスターが出て来た所だった。


「マリーは? もしかして」

「マリーならほれ。わしの後ろに」


 マリーがクランマスターの影からひょっこり顔を出した。

 そして駆け寄って俺に抱きついた。


「痛い」

「ごめん。ディザ、勝ったの?」

「ああ、勝ったさ。大勝利だよ。それもこれもマリーのおかげだ」

「えへへ。改まって言われると、なにか照れるよ」


「戦闘中にマリーの顔が浮かび、頑張れたよ」

「酷い怪我。早く休まないと」


 生きて帰れた事に感謝しよう。

 糞親父も隠居という名前の幽閉になった。

 裁判も勝てそうだ。

 激動の一日が終わったな。


「マリー、聞いてくれ」

「なにっ、改まって」

「俺と婚約してくれ。【具現化】婚約指輪」


 俺は跪いて指輪を差し出し言った。


「いいよ」

「駄目って事のいいじゃないよね」

「うん、承諾のいい」


「やった、ひゃっほう」


 俺は指輪をマリーに嵌めてやった。

 はにかむマリー。


「若いっていいねぇ。クランハウスの出入り禁止を解いてやろう。皆と騒いでお祝いでもするんだね」

「今日は二人だけで祝うよ」

「好きにするさね」


 今日は婚約者水入らずだ。

 子供だから健全な物だけどな。

 ジュースを飲んで上等な肉を食って、色々な話をする。


 やっぱり、最後は同じベッドで抱き合って寝るのね。

 これは婚約者になったのだから良いだろう。

 気兼ねなく抱き合える。


 思えばマリーには世話になりっぱなしだ。

 マリーがいなければ俺は糞親父に負けてたかも。


「ありがとう、マリー」


 マリーからの返事はない。

 マリーの安らかな寝顔を眺める。


 俺に家族が出来たのを実感する。

 俺はこれからも頑張っていけそうだ。

――――――――――――――――――――――――

あとがき


 すいません。打ち切りエンドです。

 理由は腰が痛くて執筆が無理な為です。


 区切りが良かったので終わらせる事にしました。


 他にも理由があります。

 発展性がないっていうか。

 ポリゴンで作るのって何でも作れる。

 枷がない訳です。

 スキルにレベルを付けたけど、これじゃあまり工夫のしようがない。


 創意工夫が薄い。

 無制限の創造魔法みたいな物なので、お話に凄くしずらいのです。

 思い切って俺Tueeeに舵を切った方が良かったのかも知れません。


 次回作に反省は活かしたいと思います。

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ポリゴンスキルは超絶チートでした~発現したスキルをクズスキルと言われて、路地裏に捨てられた俺は前世の記憶がよみがえり、ポリゴンスキルでざまぁする事にした~ 喰寝丸太 @455834

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