教養の高い硬派なライトノベル。もっと評価されるべき

自分のツボに見事はまった。
お世辞でもなんでもなく、最高に面白いと感じた作品である。


まず、地の文にちょうどいい重みがあって読みやすい。
久々に出会えた「一人称視点かつ地の文がきれいな作品」だ。
主人公の心の声に、クスリと笑える箇所も散見される。
それになにより、教養の高さが窺える文章なのだ(読んでみれば分かる)。

次に、王道転生モノかと思いきや斜め上の展開へ進むあたりが、もっと先を読みたいと思わせてくる。
主人公がある狭間で初めてやり取りをした人物の印象は、そこから二話読み進めただけで覆された。
それに、主人公の過去もおそらくもっと掘り下げられていくのだろう。
序章にはほとんど伏線しか盛り込まれていないだろうと予想している。

最後に、これは個人的な都合だが、世界地理が出てきたああああ!とっても嬉しい!
地理好きな人間であればよだれを垂らして喜ぶ作品であること間違いない!
なお、地理を嫌いな人が読んでもまったく問題なし。


ひとまず星が最高でも3しかつけられないシステムを恨もうと思う。