第9話

「だめかも..」


「しっかりしてよ、西野くん!」

「もうじき俺ん家だから。一応病院だから

手当てみたいなこととかできるし、寝るところもあるし...」

「病院...?」

「うん、父さん医者だからさ...」

「医者か...いいな...」

俺はそんなことを呟いた。

「おまえも医者になるんだろ...?」

「なりたくないけど仕方なくね...」

俺は、こいつに医者になりたい理由を話した。

目の前のこいつは滅茶苦茶頭いいのに、

医者にはなりたくないという。

一方の俺は、バカだけどなりたい、

その旨を一生懸命伝えてみた。

すると、「一緒に勉強しないか?」と

提案されたんだ。


「これから知り合いで東大出のスーパー家庭教師がうちに

来るんだよね。週に三回もくるんだよね。僕はやる気ないけど、

よかったら、君教わりなよ。勉強する気はあるんだろ?僕と違ってさ...」


思えばこれが転機だった。

めきめきと俺の成績が上がりはじめ

気が付けば模試で上位の成績を収めてしまうほどになってた。

信じ難いはなしだが、

東大に滑り込みで入学できた。

サトシも一緒だった。


「俺、ユーマがいなかったら頑張れなかったな。一人じゃ勉強する気なかった」


入学式を終えて、二人して帰路についてたら

ユーコに左手首を掴まれた。

「ユーマ!凄いじゃん、あんた東大合格したんだって!?カッコいい!ね、ね、今、彼女いるの?いなかったら私と付き合っ...」


「お、俺の右頬に触るなって...」


この直後。右手首をぐんと引っ張った女がいた。


「ちょっと!あんた、私のユーマに何する気!?どっか行きなさいっ!」


高校でできた美人な彼女にユーコの顔は

完全にビビってた。俺の彼女のヒナタは、実は読者モデルなんだよねw


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無能でモテない陰キャだと幼馴染にバカにされてた俺→実は東大医学部も余裕で合格できるんだが、今更、模試とセンター試験の結果を見て態度おかしくされても、もう遅い。 雲川はるさめ @yukibounokeitai

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