第8話

検査室に通されてからの、


診察室にて。


無料でレントゲンなどを撮ってもらい。

俺は平屋くんのお父さんに、

「画像検査したけど、大丈夫だ..!異常なし!!」と言われて

安心した。


「ありがとうございました!」


俺は御礼を言い、

帰ろうとしたその時だった。


平屋くんが、俺を止めた。


「ねぇ、僕の部屋でゲームしてかない?

新作のソフトあるよ...?」


「僕、対戦相手欲しいんだよね...

格ゲだからさ!」


「こら、サトシ...!おまえ、あと

1時間後に先生が来るっていうのに、

遊んでいいわけないだろ!」


「先生...?」


「ああ、家庭教師の先生ですよ。

東大出の美人なスーパー家庭教師を折角雇ったのに、

こいつ、全然、やる気がなくて

困ってるんだ...!」


「うるさいなぁ、息抜きだよ!

ついさっき。

僕にできた唯一の友達と一度くらい

遊んだっていいだろ...?」


俺は勝手に友達認定されたが。

なんだか、悪くない。

俺の家は、現状、超貧乏で。

新作のゲームソフトとか買って、遊べる余裕なんてなかったからだ。


お金持ちのお坊ちゃん?と仲良くなっておけば、この先、

色々といいんじゃないか?と

考えた。


それにしても。


厳格そうな整形外科医の父親に向かって、

結構悪めな口の聞き方。


平屋サトシ...。


滅茶苦茶大人しそうに見えるマッシュルームヘアのメガネ男だが。


今、絶賛、反抗期中なのかもしれないと

俺は思った。






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