第7話

「着いたよ。ここ、僕の家...」


「え」


「ここ、整形外科クリニックじゃん...」


「父さんが医者でさ。安心してよ。

一応名医でさ。今日は午前の部しかなかったけど、患者100人も来たから。

あ、お金は要らないよ。僕の友達ってことにするから....」


「いや、でも...」


「恩返しみたいなもんだと思ってくれていい。

受験当日、僕の隣の席にいて、

慌ててる僕に声かけて、そんで僕に消しゴムちぎって、これ使えば?ってくれたじゃん。助かったよ。俺、消しゴムがなきゃ落ちるとこだったから...」


「そんなことしたかな?」


「僕はちゃんと覚えてるから...」


「ま、とにかく、診察してもらえばいいよ...

鼻の骨に異常がないか、とかさ...」


「あ、ありがとう」






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