第6話


「名前、、平屋サトシ...くんだったっけ?」


「下の名前、自信ないけど...」


「うん。そう」


「確か、すげー頭いいよな?」


「え、大したことないよ?」


「謙遜だろ。順位表に載ってたことあるだろ。

確か一位...」


「あー、そんなの、

ただの一度きりだよ。

欲しいゲーム機があってさ、親が一位取ったら買ってやるって言ったから、仕方なく

勉強しただけ」


「ふうん」


同じ学年だが、クラス違うし名前までは

覚えてる自信がなかったが、

こいつは確か、高校入学後、1番初めに行われた

定期考査で1番を取ったことがあ

気がする。それでうろ覚えだが、

順位表の1番上に名前が

載ってて、いいなぁ、平屋サトシってやつは頭いいんだな、

と思った記憶がある。

俺は上位だけが載ってる順位表にのったことなど未だかつてなくて。


とにかく載ってるやつが羨ましかった。

きっと、塾や家庭教師など、

勉強するのに申し分ない環境下に置かれているのだろう。と思っていた。


俺のすぐ隣で俺に歩幅を合わせて歩いてくれてるマッシュルームヘアのメガネ男子。


「あ、うん」


「おまえの家、あとどの位で着く?」


一応、鼻血は止まったが、

随分と出血して体内の血が流れ出てしまったせいか、

歩くのが若干しんどくなってきた。


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