なかなか話数を見ると膨大な力作に尻込みしてしまうが、いざ読んでみると、その軽快な文体にスラスラとページが進む。
かと言って内容はギュギュッと詰まっていて、「異世界ファンタジーの宝石箱やぁ〜」と唸ってしまう読者もいるのではないだろうか(笑)
勇者が多数いるという設定も面白い。なかには卑怯な奴や横暴な奴もいる。政府が自国防衛のために作り出した雑なシステムの中に、今回の主人公も身を投じているようなのだが……この主人公、一目で主人公、正真正銘のヒーローなのだ。
弱きを助け、悪きを挫く。レベル0にして最強の英雄。やはり、異世界ファンタジーの主人公は、こうでないと。
主人公はレベル0のまま物語は発展していくが、執筆者のレベルはメキメキと上がっていくところにも注目して頂きたい。
50話あたりから、会話文と情景描写のバランスが良くなっていき、後半では伏線を巻き込んでのストーリー展開は見どころだ。途中でフェードアウトするのは勿体ない作品だと感じる。
80話あたりで本編は完結するので、そこを目指して読み進めるのも良いかも知れない。ニヤニヤしたい人は最後まで読み進めてほしい。個人的なオススメは71話。
皆さんも、好きなキャラクター、好きなストーリーを探しに、一度よんでみてはいかが?
こちらの物語は、勇者が魔物と闘いレベルを上げ、魔王を倒す事を目的としております。アウトラインは剣と魔法の王道ファンタジーそのもののように思えますが、数多く存在する勇者たちの生きざま、他の国民や魔物たちとの関わりが非常に良く練られ、他作品とは一線を画しています。
特に気になったのは、レベルアップが魔物の生命の上に成り立っている、という事が明確になっている所ですね。
主人公のアーノルド王子は無力な魔物を仕留める事さえためらうお方。従って現時点ではタイトルの通りレベルは0です。
果たして彼はレベルを得る事があるのか、それが善い事なのか……非常に気になります。