学園生・会話

 喫茶店のテーブル席で、学園制服の少女達が談笑している。

 ふと、ソファ奥側で突っ伏していた少女が身を起こした。なんとなく注目が集まる。

 起き抜けの少女は、妙にすっきりしたまなざしで皆を見回す、開口一番。

「ああ、ごめん。それで、どこまで決まった?」

 一同、思わず顔を見合わせる。一秒ほども間を挟んで、椅子奥側に座る少女が顔を綻ばせる。

「みんなでeスポーツジムに行くって話していて」

「おい!」

「いやいや、いやいや」

「……全然」

「全然そんな話してなかった!」

「……そうだったかしら?」

 椅子奥、今度は少し唇を尖らせるようにして話し出す。

「わたしら、そもそも何の話だったの?」

「何って、その、ほら!」

「……あのキモオタが」

「どうやって報復しようかって」

 椅子奥、すっと目を逸らす。

「彼からすれば、同じクラスというだけで。ほぼ接点のない人から、突然の提案をされたわけですから。仕方のないリアクションだったのではない?」

「お前が言い出したんだろうが!」

「あ、ああー、大体分かった」

 再びソファ奥からの発言に、一同の注目が集まる。

 視線が交わる中で、テーブル上のカップを持ちあげ冷めた中身を飲みほす。

「コーヒーおかわり」

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テンプレート習作 とりまりる @trimulli

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